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アレフ・ファームズがアジアへの培養肉導入加速に向けてタイ・ユニオン、CJ第一製糖と提携

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イスラエルの培養肉企業アレフ・ファームズが、アジアの食品大手2社と基本合意書(MOU)を締結した

タイを拠点とするシーフード大手タイ・ユニオン、韓国の総合食品大手CJ第一製糖は、アレフ・ファームズのアジア進出を支援する。

細胞培養でステーキ肉を作るアレフ・ファームズ

出典:アレフ・ファームズ

アレフ・ファームズは、バイオ3Dプリンターを活用して培養ステーキ肉を開発する注目の培養肉企業の1つ。今年1月には日本への培養肉導入について三菱商事と提携、5月にはブラジルへの培養肉導入についてブラジル食肉大手BRFと提携した。

培養肉企業の多くがひき肉開発に着手していた2018年に、アレフ・ファームズは世界初の細胞培養による薄切りステーキを発表するなど、ステーキ肉の開発に焦点をあててきた。

2019年にはロシアの3D Bioprinting Solutionsと協力して宇宙で培養肉を生産。今年2月にはバイオ3Dプリンターによる培養リブロース肉を開発したことで話題を呼んだ。

「私たちは構造化された肉製品に焦点をあてます。ひき肉は作りません。私たちにとって、栄養のギャップを埋めるタンパク質を作るだけでは十分ではありません。

ですので、ハンバーガーやミートボール製品を開発するという簡単なステップを回避して、ステーキに焦点をあてました」
(共同創業者・CEOのDidier Toubia氏)

培養肉の開発では、細胞を培養して増殖させるための「種」となる細胞が不可欠となる。細胞は一般に何回か分裂を繰り返すと、分裂を止め、死滅する。

出典:アレフ・ファームズ

これに対し、死滅することなく、無限に増殖できる状態を不死化といい、不死化した細胞のことを「細胞株」と呼ぶ。

アレフ・ファームズによると、同社の細胞株は遺伝子組換えも不死化もされていない。無限に増殖できるよう遺伝子操作していないが、「長期間増殖する能力を持つという

遺伝子操作しない細胞を使用することについて、「消費者や一部の規制当局に受け入れてもらい、信頼を得るために重要な要素である」とコメントしている。

シンガポールをターゲット市場に、2022年の市場投入を目指す

2月に発表された培養リブロース肉 出典:アレフ・ファームズ

Toubia氏は今回のMOUについて、培養肉をアジアへ導入するためのより長期計画の「第1段階」だとしている。第1段階には、「効果的な市場参入戦略を設計し、規制当局と透明なコミュニケーションを確立」することが含まれる。

培養肉を販売するには、各国当局の承認が不可欠となる。これまで培養肉の販売を許可した唯一の国はシンガポールだが、カタール、アメリカがこれに続く可能性が高い。

アレフ・ファームズは2022年の市販化を目指しており、現在、シンガポールを含む規制当局と協議している。Green queenの報道によると、同社はアジアの中でもシンガポールを特にターゲット市場としている。

これまで培養肉の販売を認めた唯一の国がシンガポールであることを考えると、アレフ・ファームズが自社の培養肉を最初に市場投入する国にシンガポールを選定していたとしてもおかしくない。

増えるスタートアップと大手の提携

出典:アレフ・ファームズ

今年1月の三菱商事とのMOUに続き、ブラジルのBRF、タイのタイ・ユニオン、韓国のCJ第一製糖など、大手食品メーカーとの一連の提携は、アレフ・ファームズのアジア進出に弾みをつけるものとなる。

最近の培養肉業界では、スタートアップ企業が大手企業または政府系機関と提携する事例が目立つ。

直近では、培養魚のAvant Meatsがシンガポールの法定機関A*STARとの提携を発表した。オランダの培養肉Meatableは安価な培地の共同開発でDSMと提携。

培養魚のBlueNaluは冷凍食品大手のNomad Foods、タイ・ユニオン、三菱商事と提携している。さらに、ネスレはイスラエルの培養肉企業Future Meatと協業している。

食肉大手のタイソン・フーズのベンチャーキャピタルは培養肉を開発するFuture Meat、代替エビを開発するNew Wave Foods、培養肉のUpside Foods(元メンフィス・ミーツ)に投資している。

アレフ・ファームズの培養肉を試食するイスラエルのネタニヤフ前首相 出典:アレフ・ファームズ

こうした大手、政府機関によるスタートアップ支援のほか、スイスでは大手企業3社が培養肉工場の建設を発表するなど、大手主導の動きもみられる。

2050年には世界人口が約100億人に達すると予想される。高まるタンパク質需要に現在の食品システムでは供給が追い付かなくなると言われており、持続可能な食品を調達し、生産する必要性がこれまでになく高まっている。

培養肉が普及すると、家畜のために農業用地を確保するための森林伐採も不要となる。集約畜産、飼育過程での抗生物質の乱用、感染症による大量の殺処分という現状を変える選択肢になりうるため、世界中の企業が急ピッチで開発を進めている。

レオナルド・ディカプリオ氏も出資に参加

アレフ・ファームズの専任シェフ Amir Ilan氏 出典:アレフ・ファームズ

アレフ・ファームズは7月に100億円を超える資金調達を実施している。

今月には環境活動家であり俳優のレオナルド・ディカプリオ氏がアレフ・ファームズ、モサミートに出資した(出資額は非公開)。

アレフ・ファームズとタイ・ユニオンが実施した調査によると、培養肉を試してみることに意欲的な割合はシンガポールで74%タイで97%を占めた。シンガポールでは環境面でのメリット、タイでは食肉がどう生産されたか追跡可能であることが主な動機であるという。

 

参考記事

Aleph Farms Partners With 2 of Asia’s Largest Food Companies to Bring Cultivated Meat To Market

Aleph Farms Partners with Thai Union and CJ CheilJedang to Help Drive Adoption of Cultivated Meat in Asia

2021年9月22日ー俳優のレオナルド・ディカプリオ氏は持続可能な培養牛肉の開発を推進させるため、モサ・ミート社とアレフ・ファームズ社に出資を決定

 

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アイキャッチ画像の出典:アレフ・ファームズ

 

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