代替プロテイン

国内初|グリーンカルチャーが植物性ゆで卵の開発に成功

 

植物肉Green Meatで知られる日本のスタートアップ企業グリーンカルチャーが、植物性ゆで卵のプロトタイプを開発した

プラントベース食品の開発では、液状の代替卵の開発は国内外でも事例が増えているが、ゆで卵の開発事例は少ない。植物ベースのゆで卵の開発成功は、国内ではグリーンカルチャーが初となる。

グリーンカルチャー、植物性ゆで卵の開発に成功

出典:グリーンカルチャー

同社は「健康と地球とずっと。」を理念に、環境負荷の軽減、世界的な食料需要の増加に対応するため、植物肉の開発・製造・販売を行っている。

通信販売専門店として設立された同社は、今年春に外食産業向けのB2Bをスタート。

植物肉「Green Meat™シリーズ」の第1弾となる「Green 小籠包™」は半年以内に1.6万食販売され、7月にはシュウマイをリリースした。

3月にはマカオへ進出、6月には植物ベースの代替魚をレストランで提供した。

グリーンカルチャーが開発した植物性ゆで卵は、サラダやお弁当のおかずとしてそのまま使用したり、つぶして料理に使ったりすることができる。世界的に植物卵の開発が進むなか、味・質感だけでなく、ゆで卵という難易度の高い形状での開発にあえて挑戦した。

使用した原料の詳細は明らかにされていない。同社は今後、プロトタイプから量産化を目指す。

加熱する代替卵の開発

世界の卵市場は、2020年の2131億ドルから2025年には2974億ドルに達すると見込まれる

特に、アジアは世界最大の卵市場となっており、2020年には市場全体の64%をアジアが占めている

プレスリリースによると、日本は中国に続き、世界で2番目に卵の消費量が多い。日本は世界的にみて卵消費大国であり、代替卵の開発が注目されている。

卵は牛肉など主要動物肉、チーズなどに続き、8番目に温室効果ガスを排出する食品とされ、環境負荷が大きい。また、国内では9割以上の養鶏場がバタリーケージ飼育と呼ばれる集約飼育方式を導入しており、鶏は一生満員電車に乗り続けるような状況で飼育されている。

集約飼育では、感染予防のために抗生物質が投与されるが、抗生物質が効かなくなる耐性菌の問題も指摘されている。

こうした背景から、世界的にも代替卵に取り組む企業は急増している。

OsomeFoodが開発した代替ゆで卵 出典:OsomeFood

JUST Eggで知られるアメリカのイート・ジャストを始め、最近ではゆで卵、目玉焼きを再現した商品開発の流れが加速している。

スイスの小売大手ミグロスは先月、植物性ゆで卵を発売した。シンガポールのOsomeFoodはマイコプロテイン由来のゆで卵を発売している。

シンガポールのFloat Foods、イスラエルのYO-Eggは黄身と白身に分かれた目玉焼きにできる代替卵を開発している。国内でも代替卵の開発が進んでおり、ネクストミーツは植物性卵「NEXT EGG 1.0」の商品化に成功した。キューピーも業務用の代替卵を開発している。

 

参考記事

<注目&急成長中「植物性食品」市場最前線>フードテックベンチャー「グリーンカルチャー」日本初「植物性ゆで卵」の開発に成功

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:グリーンカルチャー

 

関連記事

  1. 菌糸体由来肉の米Meati Foodsが約199億円を調達、今年…
  2. シンガポール・イスラーム評議会、特定条件下で培養肉をハラールと認…
  3. All G、精密発酵ウシラクトフェリンでGRAS自己認証を取得|…
  4. 培養肉企業インテグリカルチャーによる 「CulNetコンソーシア…
  5. スイスのPlanted、発酵技術を使用した植物性ステーキを欧州3…
  6. GOOD Meatがシンガポールで培養鶏肉の販売を一時停止、再開…
  7. Shiruが「見た目も挙動も動物油脂のような」植物性代替脂肪「O…
  8. 藻類を活用した代替タンパク質製品を開発するAlgama Food…

おすすめ記事

培養ロブスターを開発する米Cultured Decadenceが約1億7000万円を調達、州政府による細胞農業企業への初出資

細胞農業スタートアップのCultured Decadenceがプレシードで160…

バイオ3Dプリンティング技術で培養肉を開発するTissenBioFarmが約2.2億円を調達

韓国の培養肉スタートアップTissenBioFarmは先月、シリーズAラウンドで…

中国の植物肉HEROTEINが米培養油脂Mission Barnsと培養ハイブリッド肉の共同開発で提携

中国の植物肉企業HEROTEINが、アメリカの培養肉企業Mission Barn…

イスラエルのMeaTechが新たに培養豚肉の開発始動を発表

3Dプリンターを活用して培養肉を開発するイスラエル企業MeaTechが、培養豚肉…

デンマークの精密発酵企業21st.BIO、持続可能な乳タンパク質生産を可能にするB2Bプラットフォームの提供を発表

デンマークの精密発酵企業21st.BIOは食品・原料メーカーに向けて、乳タンパク…

GOOD MeatとADMが戦略的パートナーシップを締結、培養肉生産を加速

世界で最初に培養肉販売を実現したイート・ジャスト傘下のGOOD Meatは17日…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(03/24 14:52時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(03/24 00:37時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(03/24 04:30時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(03/23 20:49時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(03/24 12:59時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(03/23 23:49時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP