Foovo Deep

培養肉用の安価な食用足場を開発するエストニア企業Gelatex|事業開発部長Athanasios Garoufas氏にインタビュー

 

培養肉の生産では、生体内環境に似た状態を再現するために、細胞外マトリックス(ECM)に相当する足場が必要となる。

足場はスキャフォールドともいわれ、細胞の接着、増殖、分化を促して、立体構造を保持するための「土台」「骨組み」の役割を持つ。つまり、肉に構造、食感を与える材料となる。

エストニアを拠点とするGelatexは、培養肉をこれまで以上に安くするという野心のもと、独自技術により、用途が広く、安価な三次元ナノファイバー足場を開発している。Gelatexが提供する食用のナノファイバー足場を使用すると、培養肉の生産コストを最大90%削減できるという

同社で事業開発部長を務めるAthanasios Garoufas氏に話を聞いた。

共同創業者兼CEOのMärt-Erik Martens氏(左)と事業開発部長のAthanasios Garoufas氏(右) Foovo(佐藤あゆみ)撮影 シンガポールにて

 

-他の足場と比べて、Gelatexの足場にはどのような強みがありますか?

Garoufas氏Gelatexの足場は、独自のHaloSpin技術によって製造されています。この方法により、主要な植物タンパク質を活用した高性能な足場を提供しています。ナノファイバーの足場は一般的に、足場全体に強い異方性を持たせながら、筋繊維の配向を誘導するのに適していますが、GelatexのHaloSpin技術による足場は、エレクトロスピニングやハイドロゲルの代替品よりもはるかに費用対効果が高く、スケーラブルな方法で製造される点に強みがあります。

また、三次元構造の多孔性により、細胞接着を強化し、酸素と栄養素の拡散速度を向上する独自の形態特性を備えています。

 

-Gelatexの足場にはどのような植物を使用していますか?

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Gelatex

 

関連記事

  1. 精密発酵タンパク質のB2B生産プラットフォームを開発するFerm…
  2. 代替肉のビヨンド・ミートがマクドナルド、ヤム・ブランズとの提携を…
  3. 米Aqua Cultured Foodsがシカゴで生産施設の建設…
  4. ブラジルのマイコプロテイン企業Typcal、ブラジル州政府から助…
  5. 代替卵イート・ジャストが欧州進出へ向けて加速、EUの承認待ち
  6. 世界初!アレフ・ファームズが3Dプリンターで培養リブロース肉を開…
  7. タイソンフーズが出資するFuture Meatが培養鶏肉のコスト…
  8. CO2を原料にタンパク質開発する米NovoNutrients、カ…

おすすめ記事

ダイバースファーム、細胞性鶏肉技術の海外B2Bへ|ネットモールド法で事業化を加速

ダイバースファームの細胞性鶏肉(Foovo佐藤撮影)培養肉を開発する細胞性食品スタートアップのダ…

オーストラリアのCauldron Fermが約9.3億円を調達、「より小さく、よりスマートな」アジア最大の精密発酵施設ネットワーク構築へ

オーストラリアに新たに設立された精密発酵スタートアップのCauldron Fer…

2024年1月_Foovoセミナー動画・資料(精密発酵・植物分子農業・代替脂肪)

セミナー当日の様子2024年1月に開催したセミナー動画となります(告知ページ…

英Multus Biotechnologyが約12億円を調達、増殖培地工場の建設へ

イギリスのスタートアップ企業Multus Biotechnologyは、世界初の…

第18回Foovoセミナーを開催しました

6月18日、第18回目のFoovoセミナー「代替タンパク質セミナー」を都内で開催…

再生医療学会・培養肉シンポジウムレポート|再生医療研究者が「培養肉」をテーマに集結

先月開催された第21回日本再生医療学会総会では初の試みとして、「培養肉開発の現状…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(12/13 16:23時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/14 03:04時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/14 06:39時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/13 22:24時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/14 14:23時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(12/14 01:44時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP