レストランテック

オランダのEatch、1日最大5000食を調理できるロボットキッチンを開発

 

ロボットキッチンを開発するオランダ企業Eatchは、1日に最大5,000食を調理可能なロボットキッチンを発表した。

The Spoonの報道によると、これまでに確認されたロボットキッチンで、1日に5,000食もの食事を調理できるものは希少だという。Eatchのロボットキッチンは長期的に、最大15,000食まで提供数を増やせる可能性もあるという。

Eatchは材料の投入、調理、ソースの追加などに加え、料理の提供、鍋の洗浄など、食提供の全プロセスに対応しているのが特徴だ。鍋で調理する際は、鍋を回転させながら加熱することで材料の焦げ付きを回避している。

出典:Eatch

公式サイトによると、調理に使用される原材料は産地を追跡でき、在庫はリアルタイムで更新される。レシピは季節やクライアントのニーズに応じてカスタマイズ可能で、レシピの開発段階で材料コスト、製造コストを算出できるという。審査員による評価が10点中9点を獲得したレシピのみ採用している。

Eatchは、病院、オフィス、スーパーマーケット、学校、航空会社、ファーストフードなど、栄養で高品質な食品に対する需要が高まっている場所への導入を視野にいれている

オランダ数箇所に導入済み

出典:Eatch

同社はロボットキッチンの導入にあたり、国際的な施設管理サービス会社ISS Facility Services Nederlandと提携している。7月、ISS A/Sはクライアント企業数社にロボットキッチンを導入したことを発表した

Eatchはオランダ、アムステルダムの複数箇所で料理を提供しており、今後はオランダ全土への展開、さらには国外進出も考えている。The Spoonによると、アメリカ市場への進出も検討しているようだ。

Eatchのロボットキッチンの導入により、社員食堂でピーク時に提供できる食事数の増加や、早朝、夜間におけるファーストフード店の人手不足の解消など、フードサービス業界における慢性的な人手不足を解決できる可能性がある。

特に、ロボットによる調理は自動化されているため、各食事を一貫した品質で提供できるのもメリットといえよう。

国内ではパスタ自動調理ロボットが登場

出典:Eatch

こうした自動で調理するロボットキッチンを開発する企業は増えており、ドイツのGoodBytzは1日最大3,000食を調理できるロボットキッチンを開発した。同社は大手フードサービス企業との提携により、年内の導入を予定している。

国内ではTechMagicが開発したパスタ自動調理ロボットP-Roboが2022年6月より、プロントが東京・丸ビルにオープンしたエビノスパゲッティに導入されている

今月には、キユーピーの社員食堂にサラダ盛り付けロボットを5日間試験導入した。TechMagicは調理ロボットの開発で2021年よりキユーピー、味の素など大手食品会社と協業しており、8月には味の素と資本業務提携を締結した。

 

参考記事

Meet The Dutch Robotic Kitchen That Makes Five Thousand Meals Per Day

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Eatch

 

関連記事

  1. 電気で塩味を強化|キリンが「エレキソルト カップ」新発売、減塩ス…
  2. スーパー・薬局が自宅までやってくる!Robomartの移動型スー…
  3. アメリカで広がるスムージー自販機Bleni Blends|サラダ…
  4. テックマジック、炒め調理ロボット「I-Robo2」を駅構内に初導…
  5. カナダ企業のピザ自販機PizzaFornoが北米3ヵ国に進出
  6. 独GoodBytzが開発した1日3,000食を調理できるロボット…
  7. 韓国LOUNGE’LABがロボットアイスクリームショ…
  8. ドイツ発のAitmeはキオスク型自律調理ロボットを開発

おすすめ記事

米The EVERY Companyが米国スーパーマーケットで展開を開始、約84億円を調達|精密発酵卵白で初の大規模な小売展開

出典:The Every Company精密発酵で卵白タンパク質を開発する米The EVERY …

オランダの培養肉企業Meatableが約51億円を調達、来年にシンガポールで販売へ

オランダの培養肉企業Meatableは今月、シリーズBラウンドで3500万ドル(…

イスラエル企業SimpliiGood、スピルリナ由来のビーガンスモークサーモンを2025年第1半期に上市へ

スピルリナ由来の代替サーモンを開発するイスラエル企業SimpliiGoodは、2…

NewFishが微細藻類由来のタンパク質粉末を開発、米国スポーツ栄養市場進出を目指す

微細藻類を活用した代替タンパク質を開発するニュージーランドのNewFishは今月…

英WNWNがカカオフリーチョコレートのB2B販売を開始

カカオフリーのチョコレートを開発する英WNWN Food Labsは今月、ベーカ…

スペイン乳業メーカー、代替乳製品開発に向けた「Mylkcubator」第2コホートを発表

Mylkcubatorの新しいコホートが発表された。新コホートには、代替乳製品開…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(12/28 16:28時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/29 03:09時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/28 06:44時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/28 22:27時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/28 14:28時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(12/29 01:51時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP