レストランテック

Hyphenが世界初のロボットメイクラインを発売、レストラン作業を効率化

 

カリフォルニアを拠点とするHyphenは、外食産業向けの新しいキッチンプラットフォームを発表した。

このプラットフォームは、自動化されたロボットメイクラインで、レストランが追加のスペースを設けることなく、食事をすばやく正確に準備し、スタッフがより重要なことに注力できることを目的としている。

Hyphenのロボットメイクラインは、デジタル注文、在庫管理まで行い、1時間あたり350食を生産できる。

Apple、Sweetgreen、SpaceX、Tesla、Uber、Instacart、Postmatesなどの企業のロボット工学、フードサービス、フードテック技術によって構築され、今年冬にアメリカ全土に展開される。

出典:Hyphen

わかりやすいイメージとしては、サラダなどトッピングを選べるカウンターで注文する場合を想像してもらいたい。

通常は、スタッフが指定されたトッピングをプレートに取りわけてくれる。Hyphenのロボットメイクラインでは、カウンター内部で、カウンターのトレーから材料が自動的にプレートに割り当てられる。これにより、レストランのカウンターでの取り分け作業を増やすことが可能となる。

Hyphenのロボットメイクラインは、取り分けミスや作業中の汚染がなく、レストランの既存のメイクラインと簡単に交換できる。

 

モジュラー式であるため、レストランのスペースに応じて設置するロボットメイクラインの長さを変えることができる。モジュールは用途に応じて複数用意されており、加熱モジュール、ラベル貼り付けモジュール、ドリンクモジュールなどを組み合わせることができる。

レストランの作業から人を除くのではなく、スタッフが重要な「おもてなし」により時間を費やすことを目的としている。

Hyphenのロボットメイクラインの導入初期費用は1万ドル。設置後の利用料金は公開されていない。

出典:Hyphen

今後数ヵ月かけて、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、フェニックスに導入される予定。

海外メディアThe Spoonの報道によると、パートナー企業8社と契約しており、うち7社はファストカジュアルレストランとなる。

HyphenはもともとOno Foodという社名で、ロボットフードトラックを運営していた。

このトラックは移動する自動スムージー製造トラックで、新鮮で手頃なスムージーを一般の人々に届けることを目指していた。しかし、発売から数ヵ月で新型コロナウイルスが発生し、操業停止を余儀なくされた。

出典:Hyphen

共同創業者・CEOのStephen Klein氏は新型コロナウイルスがレストラン業界にとって何を意味するか考え、ビジネスモデルの転換を決意した。

クランチベースによると、Hyphenは2018年にDaniel Fukuba氏Stephen Klein氏が立ち上げたカリフォルニアのスタートアップ企業。

直近の資金調達は2020年8月のシードラウンドで、調達総額は1000万ドル(約11億円)となる。

 

参考記事

Ono Food Rebrands as Hyphen, Launches Makeline Food Assembly Robot to Work in Tandem with Humans

Hyphen Launches the World’s First Robotic Makeline—Allowing Restaurants and Foodservice Operators to Make Meals Within Seconds

 

おすすめ記事

アイキャッチ画像の出典:Hyphen

 

関連記事

  1. The Food Robotics Summit2021に登場し…
  2. 未来のバーテンダーはロボット?Rotenderはドリンクを大量に…
  3. フランス・パリにPazziによるピザロボットレストランがオープン…
  4. Moleyが自動調理ロボット「モーレイ・ロボット・キッチン」の販…
  5. ラーメン自販機のYo-Kai Expressが家庭用調理機『Ta…
  6. フランスのピザロボットレストランPazziが操業停止
  7. 多才な料理ロボットのカナダYPCテクノロジーズが約1億4千万円を…
  8. 機械学習でフードロス削減に取り組むFloWasteが約1億240…

おすすめ記事

菌糸体からベーコンを開発する米MyForest Foods、年産約1300トンの新工場を開設

菌糸体を使って代替ベーコンを開発する米MyForest Foodsは先月、新工場…

動物を殺さずに動物性脂肪を開発する英Hoxton Farmsが約3.9億円を調達

イギリスのスタートアップ企業Hoxton Farms(ホクストン・ファームズ)が…

All G Foodsが約34億円を調達、細胞農業に特化したVC主導のインフラ構築進む

精密発酵による乳タンパク質、植物由来の代替肉を開発するオーストラリア企業All …

ビヨンドミートが代替ミルクにも参入か?ビヨンドミルクの商標を出願

アメリカの代表的な代替肉企業ビヨンドミートが、代替ミルクへの参入を進めている可能…

ドイツ発のAitmeはキオスク型自律調理ロボットを開発

ベルリンを拠点とするスタートアップ企業Aitmeは完全自律型のロボットレストラン…

精密発酵で乳タンパク質・乳脂肪を開発するPhyx44が約1.7億円を調達

アジアに新たな精密発酵企業が登場した。インドのPhyx44は、シードラウンドで1…

次回Foovoセミナーのご案内

精密発酵レポート好評販売中

培養魚企業レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(03/28 17:27時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(03/28 21:10時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(03/28 14:42時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(03/29 07:37時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(03/28 17:17時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP