培養肉

培養肉スタートアップのモサミートが約58億円を資金調達

 

培養肉スターチアップのオランダ企業モサミート(Mosa Meat)は、シリーズBラウンドで約58億円(5500万ドル)を調達したことを発表した。

今回のラウンドはBlue Horizon Venture主導で、Bell Food Group、M Ventures、Nutrecoなどが参加した。

モサミートは世界で初めて培養肉ハンバーガーを開発した培養肉のパイオニア。2013年に世界初の3500万円のハンバーガーを開発して話題を呼んだ。

現在は研究者・エンジニア50名の規模に成長している。

2019年にはウシ胎児血清(FBS)を培養培地から除去することに成功。FBSは生まれていない子牛を使うため、動物を殺さない生産方法と言いながらも倫理的に問題となっていた。生産コスト削減に取り組む同社にとって、FBSの除去は最優先事項だった。グラフで示す通り、動物フリーな培地開発によってコストを1/88に削減した。

出典:mosa meat

今回調達した資金は、今年6月にオープンした新しい実験工場(写真)の拡大、工業生産ラインの発展、開発チームの拡充に使われるほか、消費者への牛の培養肉紹介に活用されるとあるが、詳細は示されていない。

左はCEOのMaarten (出典:mosa meat)

培養肉市場への投資は過去数ヵ月で急上昇中だ。

培養フォワグラを製造するインテグリカルチャーは今年5月に約8億円を調達、8月には約2.4億円を調達している。ラボ産の水産物を開発するBlueNaluは今年2月に約21億円を調達した。2020年だけで、培養肉領域の調達規模は300億円を超える。

 

参考記事

Mosa Meat Raises $55M for Cell-Based Burgers

Cell-Based Pioneer Mosa Meat Closes US$55 Series B Round

Milestone: Over 80x reduction in our medium cost

 

関連記事

 

アイキャッチ画像の出典:Mosa Meat

 

関連記事

  1. Mogale Meatがアフリカで初の培養鶏胸肉を発表
  2. フランスのVital Meat、初の培養肉試食会をシンガポールで…
  3. 中国の培養肉企業CellXが培養肉のパイロット工場建設を発表
  4. 肉屋出身者が立ち上げたIvy Farm|2023年までに英国で培…
  5. シェフと再生医療研究者が立ち上げた培養肉企業ダイバースファームが…
  6. Umami BioworksとCell AgriTech、東南ア…
  7. 韓国の培養肉企業CellMEATが約4億7千万円を調達、培養肉の…
  8. 上海の培養肉企業CellXがパイロット工場を開設、年内に米・シン…

おすすめ記事

個人から企業まで|貼るだけで果物の鮮度を保持するシールを開発したRyp Labsとは

アメリカ、ワシントン州を拠点とするRyp Labsは、果物の保存期間を最大14日…

スペイン政府がBioTech Foodsの主導する培養肉プロジェクトに約6億5千万円を出資

スペインの培養肉スタートアップBioTech Foodsはスペイン政府から520…

香港グリーンマンデーの代替豚肉オムニポークが米国上陸

グリーンマンデーが今年後半にもアメリカ市場へ本格参入する。具体的には、グ…

ビヨンドミートが欧州での小売展開を拡大

ビヨンドミートが欧州全土での小売展開の拡大を発表した。同社はこの春、欧州…

二酸化炭素、電気から乳タンパク質の生成へ|ソーラーフーズの新たな挑戦

フィンランド企業ソーラーフーズ(Solar Foods)は、二酸化炭素、電気、水…

微生物発酵CDMOのスイス企業Planetaryがコニカミノルタと提携、発酵タンパク質の生産性向上・コスト削減を目指す

スイスに拠点を置くバイオマス発酵・精密発酵のCDMO企業Planetaryは今月…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoセミナー開催のお知らせ

Foovo Deepのご案内

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(01/18 14:27時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(01/18 00:10時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(01/18 03:58時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
2,156円(01/17 20:26時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(01/18 12:39時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(01/17 23:23時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP