アグテック

農業データ収集ソフトのArableが約20億円を資金調達

サンフランシスコを拠点として農業用ソフトを開発するArableが、シリーズBラウンドで2000万ドル(約20億円)を調達した。

2014年に設立された同社は、天候、温度、湿度といった農作物の収穫・品質に影響を与えるデータを収集し、農家に提供するソフトを開発。これにより、農家は最適なタイミングで必要な決断ができるようになる。

主力製品Arable Mark2はフリスビーのような形状で、分光センサーや温度センサーなどを搭載。ポールに取り付けて設置するが、セッティングは最短5分とお手軽だ。

出典:Arable

Arable Mark2は次の項目をモニタリングする。

・降水量

・湿度

・土壌水分

・植物の温度

・太陽放射

・風速

・風向

・クロロフィル指数

 

Arable Mark2はこれらのデータを収集し、農作物の成長速度、必要な水量、土壌の栄養状態といった情報をArableのアプリを通じて農家に届ける。

Arableは新たに調達した資金を海外展開にあてる予定。すでにブラジル、チリ、オーストラリアの農家と提携している。ArableのCEO Jim Ethingtonによると、当面のターゲットはブラジルだという。今回調達した資金は、非公表の新しいプロジェクトなど研究開発にも投入される予定。

出典:Arable

同じくアグテックに力をいれるInnerPlantは先月、同社初となるセンサープラントInnerTomatoをリリースした。警告を発する自然シグナルを増強するよう遺伝子操作されたバイオセンサーと、ドローンなどを組み合わせることで、ストレスにさらされた植物が異なる色に発色する。ストレス時に葉の色が変化するため、問題が発生する前に農家に「潜在的な問題」を伝えることができる。

米InnerPlantが自らSOSを出す植物 InnerTomatoを開発、病気の早期発見に

ラウンドはサンフランシスコを拠点とするPrelude Venture Capital、ワシントンを拠点とするMiddleland Capitalなどが主導した。Arableがこれまでに調達した総額は3380万ドル(約35億円)となる。

参考記事

Arable Raises $20M to Expand Its Sustainable Farming Technology

Arable Cultivates $20M Series B To Digitize Agriculture

Arable Raises $20 Million Series B Round For Agriculture Data Collection Tools

アイキャッチ画像の出典:Arable

 

関連記事

  1. 米食品大手Mars、CRISPRでカカオ開発加速へ──Pairw…
  2. 米Pairwise、CIMMYTとゲノム編集のライセンス契約を締…
  3. 二酸化炭素からタンパク質を作る英ディープ・ブランチ、アイスランド…
  4. 宮崎発・江田畜産社セミナー動画(田中伶氏)|2024年5月開催
  5. フードロスに取り組む米Apeel Sciencesが約274億円…
  6. ゲノム編集で食・農業の変革を目指す米Pairwiseが新たな戦略…
  7. 多様な植物から葉タンパク質を抽出するThe Leaf Prote…
  8. カナダのTerra Bioindustries、ビール粕由来のタ…

おすすめ記事

イート・ジャストが中国ファンドから約34億円を調達、代替卵JUST Eggで高級鶏卵と同等価格を実現

代替卵と培養肉を手掛ける米フードテック企業イート・ジャストが中国のプライベート・…

Yali Bioが植物由来の培養脂肪生産のためにシードラウンドで約4.5億円を調達

カリフォルニアを拠点として植物代替肉や乳製品向けにデザインした脂肪の生産に取り組…

スイスの培養肉企業Mirai Foodsがシードで約2億3千万円を追加調達

スイスの培養肉企業Mirai Foodsが追加で180万ユーロ(約2億3千万円)…

3Dプリンターを活用した培養肉の自動生産を目指して大阪大学・島津製作所が協業

大阪大学、島津製作所、シグマクシスは「3Dバイオプリント技術の社会実装」に向けた…

微細藻類からタンパク質を開発するBrevelがイスラエルに商用工場を開設

微細藻類由来のタンパク質を開発するイスラエルのBrevelが、イスラエル南部に2…

米Plantible Foods、ウキクサ由来ルビスコの商用施設を本格稼働、FDA GRASの回答待ち

出典:Plantible米フードテック企業Plantible Foodsが先月、アメリカ、テキサ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(12/08 16:22時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/09 03:02時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/09 06:36時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/08 22:23時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/08 14:21時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(12/09 01:42時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP