オランダのビーガンシーフード企業であるMonkeys by the Seaが、プレシード・ラウンドを完了。50万ドル(約5700万円)の資金を調達した。
ラウンドはPlantbase VCのWillem Blom氏が主導し、水産業界のベテランであるRoger Belton氏、影響力のある投資家Liet van Beuningen氏、オランダの食品加工会社Coroosなどが参加した。
今回の資金は、微細藻類を利用したビーガンツナ缶や植物性パン粉を使った魚など、同社の最初の製品を発売するために使用される。
ビーガンシーフードのグローバルブランドであるMonkeys by the Sea
Monkeys by the Seaは、Thijs Wullems氏が外食産業の専門家と共同で設立した「グローバルブランド」であり、「持続不可能な2,000億ドル規模のシーフード市場を破壊する」ことを目標としている。
同社の製品は全て100%植物性であり、原料として精製した海洋水や微細藻類、海藻、植物油、藻類油を使用する。原料は全て非遺伝子組み換えで、大豆やパーム油は使用しない。
同社は第一弾として植物性ツナ缶とパン粉を使用した魚を発売した後、本物の魚の味、食感、栄養などを再現したシーフード製品を次々と提供する予定だ。現在、ビーガンタラのクリスピーバイト(crispy bites)や植物性の前菜なども開発中だという。
同社の設立者であるWullems氏は今回の資金調達について、「今回の投資ラウンドを発表できることをうれしく思う。調達した資金を使用して、生産規模の拡大、さらなる研究開発への投資、販売・マーケティング活動の強化なども行う予定だ」と語っている。
今回のラウンドを主導したBlom氏は、Monkeys by the Seaへの投資を決めたことについて「チームの知識や質の高さに感銘を受けた」と述べている。
女性投資家兼シェフであるLiet van Beuningen氏は、「Monkeys by the Seaが傑出しているのは、味だけでなく栄養を重視している点だ。これは健康志向が高い消費者へのアピールになる」とコメントしている。
拡大する代替シーフード市場
世界中で行われている商業漁業により多くの魚種が危機にひんしている。商業漁業が環境や人権に与える影響に関心が集まると同時に、代替シーフード分野への投資もここ数ヶ月で急速に拡大している。
実際、GFIによると、植物由来、細胞由来、発酵由来の代替品を開発するスタートアップを含む代替シーフードカテゴリーは、2021年上半期の時点で1億1,600万ドル(約132億円)を調達済みだ。この数字は昨年の合計額を2600万ドル(約29億円)上回るものだという。
最近のラウンドでは、スウェーデンのHooked Foodsが約5億円を調達し、植物性のシュレッデッドサーモンを発売した。また、本カテゴリーの先駆者であるアメリカのSophie’s Kitchenは約6億円を調達し、ビーガンのエビ、スモークサーモン、クラブケーキ、魚の切り身といった幅広い商品を展開している。
ドイツのBettaF!shは、スーパーマーケットAldiの4000店舗で植物性のツナを展開する予定だ。同社が販売するのは、海藻や豆類を原料としたビーガンツナサンド「TU-NAH」。大豆ではなく空豆を使用しており、健康に配慮して人工香料や酵母エキスなどは入っていない。
味と栄養を両立した代替シーフードは、持続可能で健康的な選択肢だ。急拡大する代替シーフード市場から、今後も目が離せない。
参考記事
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Vegan Tuna To Hit The Stores in Germany – 4000 Aldi outlets to launch TU-NAH
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アイキャッチ画像の出典:Monkeys by the Sea