このニュースのポイント
●スウェーデンのデリバリ―専門Vemblaがシードラウンドで約7300万円を調達
●これまでの総調達額は約1億2千万円
●スウェーデンのネット通販売上高は2022年には7%になる予想
スウェーデンのデリバリースタートアップVemblaがシードラウンドで600万スウェーデンクローナ(約7300万円)の資金調達に成功した。
出資したエンジェル投資家には、Tuomas Kukkonen、SwedbankCEOのMichael Wolf、Manfred Aronssonらがいる。
Vemblaは、アプリを通じたデリバリーサービスを提供するストックホルム発のスタートアップ。
顧客がVemblaのアプリで購入すると、配達員がお店でピックアップして、商品を届ける仕組み。商品は1時間以内配達される。
ユーザーはまず、配達先を入力する。配達先は自宅でも自宅以外でも自由に決められる。受け取るときにその場所にいればよい。
次に店を選択する。スウェーデンの食料品店やドラッグストアから1000以上の品物を注文できる。1つの店から購入することも、複数の店から同時に購入することも可能だ。
注文が完了したら、Vemblaの配達員が配達する。ウーバーイーツのように、配達員の動きを地図上で確認できる。
スウェーデンで急成長するデリバリー需要
Vemblaによると、スウェーデンでは2020年のオンライン売上高は全体の5%に達し、2019年の2%から大幅に増加した。2022年には全体の7%近くになると予想されている。
Vemblaの競合となるスウェーデン発のデリバリー企業にはGastrofyがいる。
Gastrofyは単なる食料品デリバリーの一歩先をいくサービスを提供している。
レシピサイトとオンラインショップをつなぐサービスを構築し、ユーザーがレシピを選ぶと、レシピに必要なものをシームレスに購入できる仕組みだ。
ユーザーは不要なものをリストから削除したり、不足しているものを追加したりできる。レシピからのシームレスな購入ができる点で、米国のサイドシェフがウォルマートと提携するサービスに似ている。Gastrofyはこれまでに総額300万ドル(約3億1千万円)を調達している。
このほか、スウェーデンでネット通販を専門にするMatHem.seは、自社でデリバリーする仕組みを構築している。
Matsmartは期限切れ間近の商品や過剰在庫の商品を格安で販売するオンラインショップ。同社は商品の配達を他社に委託している。
新型コロナによりデリバリーの需要は高まる一方だ。Vemblaの今後の成長は、小売がデリバリーを他社に丸投げするか、自社でデリバリー体制を整えるか、どちらを選択するかも関係するだろう。
同社は2019年4月にストックホルムに設立されたスタートアップ。これまでに資金調達ラウンドは3回実施され、総額で1030万クローナ(約1億2千万円)を調達している。
参考記事
Swedish Grocery Delivery Service Vembla Raises 6M SEK
Online Grocery Startups in Sweden