代替プロテイン

ビヨンドミートが新しいビヨンドバーガーを5月に全米小売で発売

 

代替肉巨人のニュースが止まらない。

ビヨンドミートが新しい植物肉バーガーを発売することを発表した

新しいビヨンドバーガーは5月3日よりアメリカ全土で販売される。

新しいビヨンドバーガーを5月上旬に発売

新しいビヨンドバーガー 出典:ビヨンドミート

これまでの商品よりも「ジューシー」で「肉のような」新ビヨンドバーガーは、栄養面でも改良されている。

バーガー1枚あたり20gのタンパク質を含み、通常の82/20牛肉(赤身が80%、脂肪が20%の牛肉を意味する)よりも総脂肪、飽和脂肪がそれぞれ35%少ない

ビタミンBやミネラルの含有量は牛肉に匹敵するほか、現在のパテよりも低カロリー(260に対し230カロリー)で、コレステロールを含まない。

出典:ビヨンドミート

ビヨンドミートが最初にビヨンドバーガーを発売したのは2016年にさかのぼる。

2019年にバージョンアップし、今回さらに改良されたビヨンドバーガーが市場に投入されることとなる。

新しいビヨンドバーガーは1パック2個入りと、初となる1パック4個入りで販売される。

小売では5月3日から販売され、アメリカの提携レストランで提供されるのは6月からとなる。

出典:GFI

GFIの報告によると、2020年にはアメリカ人の56.8%が植物性食品を購入した。

2020年の植物肉の売上は70億ドルに達し、1年で27%増えた。このうち、2020年の植物肉の売上は前年比1.45倍となっている(上記グラフ)。

さらに、2020年には21億ドルの投資が植物性食品に集中しており、消費者・投資家ともに植物性食品への関心が高まっている。

アメリカで植物性代替食品のニーズが高まるなか、新しいビヨンドバーガーはベストタイミングで市場に投入されることとなる。

ニュース続きの2021年

出典:ビヨンドミート

今年になってからビヨンドミートのニュースが止まらない。

1月にはペプシコと合弁会社設立を発表、2月にはマクドナルド・ヤムブランズと複数年にわたる提携を発表、今月には中国の現地工場をオープン、先日には欧州全土での小売展開の拡大を発表したばかり。

アメリカでは28000箇所の小売で同社の商品が販売されている。

販売範囲は世界80カ国に広がり、名実ともにグローバルな代替肉企業となった。

新しいビヨンドバーガーは2個入りで5.99ドル、4個入りで9.99ドルとなる。

来週のローンチに先立ち、5月1、2日にビヨンドミートは下記の限定6都市で無料試食会を実施する。

アトランタ(400 Park Dr NE, Atlanta, GA 30309)

シカゴ(401 Michigan Ave, Chicago, IL 60611)

ダラス(2012 Woodall Rodgers Fwy, Dallas, TX 75201)

ロサンゼルス(The Brig, 1525 Abbot Kinney Blvd, Venice, CA 90291)

マイアミ(400 NW 26th St, Miami, FL 33127)

ニューヨーク(620 Atlantic Ave, Brooklyn, NY 11217)

 

Spoon誌の報道によると、D2Cサイトでも間もなく新しいビヨンドバーガーの提供が開始される。

従来の動物肉と比べ、飽和脂肪を半分にカットした次のバージョンは今年後半にもリリースされる予定。

ビヨンドミートが躍進を続ける一方で、競合インポッシブルフーズもさらなる拡大を図る。

昨年、700億円を超える巨額の資金調達を実施した同社は、1年以内に株式上場すると予想されるほか、オセアニア2国への進出に向け、準備を進めている。

 

参考記事

Beyond Meat to Launch Newest Version of its Burgers in U.S. Stores Next Week

Beyond Meat is launching a new meatless burger it says tastes more like real beef

 

関連記事

 

アイキャッチ画像の出典:ビヨンドミート

 

関連記事

  1. 代替脂肪としてのオレオゲルの食品応用における課題と認可の事例|F…
  2. 培養ロブスターを開発する米Cultured Decadenceが…
  3. 米培養肉企業New Age Eatsが閉鎖を発表「投資を呼び込め…
  4. Kikka Sushiが米ホールフーズで植物性のビーガン寿司を発…
  5. フードテック現地レポート会・セミナー動画|2025年1月開催(オ…
  6. ダノンが精密発酵企業Imagindairyに出資、細胞農業企業で…
  7. エストニアで進むマイコプロテイン開発|ホールカット代替肉を開発す…
  8. Better Dairyはアニマルフリーチーズの最前線で約25.…

おすすめ記事

米培養肉Upside Foods、培養肉用のアニマルフリーな増殖培地を開発

アメリカの主要な培養肉企業Upside Foods(旧称メンフィスミーツ)はアニ…

イスラエル発のChunk Foods、代替ステーキ肉で米国小売市場に参入

ホールカットの代替ステーキ肉を開発するイスラエル企業Chunk Foodsが、ア…

菌類タンパク質の業界団体「菌類タンパク質協会(FPA)」が発足

菌類由来のタンパク質を開発・製造するスタートアップ企業による、新たな業界団体「菌…

Fresh Insetがペルーで鮮度保持ソリューション「Vidre+」を登録

鮮度保持ソリューションVidre+を開発したポーランド企業Fresh Inset…

二酸化炭素と水からウォッカを開発する米スタートアップAir Companyとは

ニューヨークを拠点とするスタートアップ企業Air Companyは、大気中の二酸…

サケ・マス・コイを開発する欧州初の培養魚Bluu Biosciencesが約9億円を調達

ドイツの培養魚スタートアップ企業Bluu Biosciencesが700万ユーロ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(05/14 15:07時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(05/15 00:59時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(05/15 04:58時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(05/14 21:07時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(05/14 13:12時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(05/15 00:13時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP