Foovo Deep

奇跡の植物肉「ミラクルミート」を開発したDAIZに国内外から引き合いが止まらない理由

 

動物肉に代わる肉として代替肉に注目が集まっている。代替肉は、畜産による環境負荷を軽減し、将来の食糧危機に備えるために必要とされる。

代替肉の開発では海外が日本より先行しているが、九州に、国内企業のみならず海外企業からも引き合いが止まらない企業がある。熊本発の植物肉スタートアップDAIZ(ダイズ)だ。

DAIZが開発した代替肉ミラクルミートは、2020年8月のフレッシュネスバーガーのパティ採用をきっかけに、今年にはスーパーマーケットの首都圏ライフイオンの精肉コーナーに並び、ラーメン店チェーンの味千拉麺にも導入されるなど、急速に注目を集めている。

2015年に熊本で登場したDAIZの強みは何なのか?

30年以上にわたって発芽大豆の研究に従事してきた研究開発部長・取締役の落合孝次氏に話を聞いた。

発芽大豆を丸ごと使うDAIZのミラクルミート

発芽大豆 出典:DAIZ

ミラクルミートは一般の大豆ミートと何が違うのか?

これまでの大豆ミートが目覚めていない大豆を使っているのに対し、ミラクルミートは目覚めたばかりの大豆を使用する。

大豆は目覚めると(=発芽すると)、劇的な変化を起こす。アミノ酸、ビタミンが急増し、眠っている大豆では実現できない旨味・栄養価のある大豆へと生まれ変わる。

「(発芽していない)大豆には、実はあまり栄養が入っていません。貯蔵されたタンパク質、デンプン、油が閉じ込められているだけなので、消化しにくいですし、ビタミンなどを期待することはできませんし、おいしくありません。

DAIZの技術で発芽させると、16時間くらいで肉と同じレベルにアミノ酸を調整できます。ビタミンは13時間でピークに達します。これ(発芽大豆)を原料にするのは間違っていないと思っています」

ミラクルミートを開発した落合孝次氏 インタビューにて

DAIZのミラクルミートは、16時間かけて発芽させた発芽大豆を原料にしている。

「16時間」というとシンプルな数字だが、ここに来るまでは落合氏の途方もない試行錯誤がベースにある。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

おすすめ記事

アイキャッチ画像の出典:DAIZ

 

関連記事

  1. 高級培養肉を開発するOrbillion Bioが約5億4000万…
  2. かつて年間8,000トンを生産──忘れられたマイコプロテインPE…
  3. ビール酵母をアップサイクルして代替タンパク質を開発するRevyv…
  4. 世界初の培養サーモン、米国で認可──WildtypeがFDAの「…
  5. 菌類由来の熱安定性に優れたビーガン着色料を開発するMichrom…
  6. 米培養肉Upside Foods、カリフォルニアに培養肉工場を開…
  7. バイオミメティクスに着想を得た代替肉企業Plantedが約19億…
  8. 米イート・ジャストがシンガポール最大の植物性タンパク質工場の建設…

おすすめ記事

【1/30】オランダの現地フードテックレポート会開催のお知らせ

第16回Foovoセミナーでは、オランダのスーパーやレストランにおける最新のフー…

ADMが精密発酵スタートアップNew Cultureと戦略的パートナーシップを締結、スケールアップを支援

精密発酵により持続可能なチーズを開発する米New Cultureは17日、代替乳…

培養シーフードのShiok Meatsが生産コスト50ドル/kgを実現、2023年に培養エビ上市へ

アジアにおける培養シーフードの先駆けであるシンガポール企業Shiok Meats…

スイスの研究チームが研究室で細胞培養によるチョコレートを開発

細胞培養による培養肉の開発が世界的に進んでいるが、今後はチョコレートも工場で作ら…

イスラエルのMarineXcell、独自の核初期化技術で細胞培養によるエビ、ロブスター、カニ開発に挑む【創業者インタビュー】

左からYosef Buganim教授、Leonardo Berezowsky氏、Gadi Lipin…

シンガポール初のエスカルゴ養殖企業WholeSnail、シードラウンドで資金調達

商業用カタツムリ養殖場を運営するシンガポールのスタートアップ企業WholeSna…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

最新記事

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(08/28 15:47時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(08/29 02:01時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(08/29 05:42時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(08/28 21:46時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,980円(08/28 13:42時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(08/29 00:59時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP