Foovo Deep

オレオゲルで植物肉用の代替脂肪を開発するParagon Pureが約5.5億円を調達

 

アメリカ、ニュージャージー州を拠点とするParagon Pureは植物肉の味・風味を改善するため、米ぬか油を使用した代替脂肪を開発している。

近年、細胞培養や精密発酵により代替脂肪を開発する企業は増えているが、Paragon Pureは業界ではまだ少ない、オレオゲル技術を使用している。

Paragon Pureは8月、Unovis Asset Managementが主導するシードラウンドで390万ドル(約5億5000万円)を調達した。調達した資金で、パイロット工場の建設を進め、米ぬか油由来の代替脂肪のサンプルを企業に提供する。

オレオゲルで植物肉用の代替脂肪を開発するParagon Pure

共同創業者のMatthew Sillick氏(左)とChristopher Gregson氏(中央) 出典:Paragon Pure

Paragon Pureが独自に開発した代替脂肪Olé-pbmは、液体油を半固体脂肪に変換するオレオゲル技術によって作られている。

オレオゲルとは、ゲル化剤からなる網目構造の中に液状油脂を取り込ませ、全体としてあたかも固体脂肪のような形状をとっている状態をいう。ゼリーや寒天のハイドロゲルでは、ゲル化剤の網目構造に水が取り込まれた状態だが、水を油に変えたのがオレオゲルだ。

食品油脂の開発で、油脂を固体化させるために使用されてきた部分水素添加法がアメリカで禁止されてから、これに代わる製法として近年、ワックス、タンパク質、植物ステロールなどをゲル化剤として使うオレオゲルの研究開発に注目が集まっている

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Paragon Pure

 

関連記事

  1. Change FoodsがUAEへの精密発酵タンパク質の工場計画…
  2. バイオテック企業が培養ペットフードを開発するGood Dog F…
  3. 【12/17】熊本発の植物肉スタートアップDAIZ社セミナー開催…
  4. インポッシブルフーズがオーストラリア・ニュージーランド進出へ向け…
  5. 中国初の菌糸体タンパク質スタートアップ70/30、今年後半に全国…
  6. コオロギタンパク質を生産するエントモファームズが約3億円を調達
  7. 南アフリカの培養肉企業Mzansi Meatが来月、アフリカ発の…
  8. 二酸化炭素、水素、微生物からタンパク質を作る米NovoNutri…

精密発酵レポート好評販売中

おすすめ記事

菌糸体由来肉のMeati Foodsが全米で販売開始、Sprouts Farmers Market全店舗に導入

菌糸体由来の代替肉を開発する米Meati Foodsは、アメリカのスーパーマーケ…

中国Dicosが米イート・ジャストの代替卵をメニューに追加、500店舗以上で販売を開始

↓音声はこちらから↓(登録不要・ワンクリックで聴けます)…

オーストラリアのCauldronが約9.3億円を調達、「より小さく、よりスマートな」アジア最大の精密発酵施設ネットワーク構築へ

オーストラリアに新たに設立された精密発酵スタートアップのCauldronは先月、…

培養肉企業メンフィス・ミーツが社名をUPSIDE Foodsに変更、年内に培養鶏肉の販売を目指す

世界で最初に培養肉バーガーを発表し、話題を呼んだオランダ企業モサミートとあわせて…

オランダのEatch、1日最大5000食を調理できるロボットキッチンを開発

ロボットキッチンを開発するオランダ企業Eatchは、1日に最大5,000食を調理…

代替肉ビヨンドミートが初の海外工場となる中国生産施設をオープン

アメリカの代表的な代替肉スタートアップ、ビヨンドミートが中国現地の生産工場の開設…

次回Foovoイベントのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

培養魚企業レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,724円(12/04 10:48時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/04 20:07時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/03 23:30時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/04 17:01時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/04 09:52時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(12/04 19:39時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP