代替プロテイン

代替肉のネクストミーツが新潟に代替肉の自社工場を建設、2022年夏の稼働を目指す

 

代替肉企業ネクストミーツが代替肉の製造に特化した自社工場「NEXT Factory(ネクストファクトリー)」を新潟に建設することを発表した。

プレスリリースによると、NEXT Factoryは今年10月に着工、2022年夏毎に稼働をスタートする。

代替肉で地球環境問題に取り組む日本発のネクストミーツ

出典:ネクストミーツ

ネクストミーツは日本を拠点とする植物ベースの代替肉企業。

創業からわずか1年で、大豆を原料とした商品を次々とリリース、スピード感のある躍進に国内外から注目を集めている。

同社は「地球を終わらせない」をコンセプトに、代替タンパク質事業により地球環境問題の改善に取り組んでいる。

ネクストミーツはこれまでに、バーガー(NEXTバーガー2.1)鶏肉(NEXTチキン1.0)牛丼(NEXT牛丼1.2)カルビ(NEXTカルビ1.1)ハラミ(NEXTハラミ1.1)ハンバーグ(NEXTハンバーグ1.0)を販売している。

出典:ネクストミーツ

代表商品・焼肉用のカルビタイプ、ハラミタイプの代替肉は、今年に焼肉チェーンの「焼肉ライク」で導入され、テレビ・SNSで話題を呼んだ。

同社商品はイトーヨーカドー、イケア、パレスホテル東京にも導入され、今月には西武池袋本店に期間限定で採用されるなど、スーパーのみならず、デパ地下への進出も進めている。

今年1月にはSPACスキームで米国のOTCBBに上場、6月にはアメリカでD2C販売スタート初日に完売。アメリカ以外でもベトナム、シンガポール、台湾、香港など海外10カ国以上に進出している。

出典:ネクストミーツ

4月にはテレビCMも開始、6月には代替卵「NEXT EGG 1.0」を商品化するなど、待ったなしの環境問題解決に向けて、歩みを止めることがない。

設立から1年間で、国内外での代替肉販売数は10万食にのぼる。

研究から製造までシームレスに手掛ける代替肉専用工場

出典:ネクストミーツ

新潟県長岡市に建設される「NEXT Factory」には、研究所も併設され、代替肉の研究開発から商品化までを一貫して手掛ける。プレスリリースによると、代替肉の研究開発から生産ラインまで有する代替肉工場は国内初となる。

工場は約2600平方メートルで、投資額は10~20億円。従業員40~50を雇用し、月300トンの代替肉の生産を目指す再生可能エネルギー、デジタルトランスフォーメーション(DX)なども導入している。

自社工場の建設によって、生産コストを削減し、研究開発を強化してさらなる商品開発を目指す。

共同創業者白井氏の、故郷から世界へ事業を展開したいという想いから、新潟県長岡市を設置場所に選定した。

ネクストミーツは長岡技術大学と提携して、遺伝子発現を制御する知見・技術を応用して代替肉の原料開発に取り組むまた、新潟を拠点とする米菓ブランドの亀田製菓との共同開発により、年内の商品販売を目指す。

「2050年までに世界中で全ての肉を代替する」

出典:ネクストミーツ

ネクストミーツの自社工場が完成すると、大量生産による生産コスト削減が見込めるほか、微細藻類など大豆以外の素材を使った研究開発も進めていくと予想される。

2050年には世界人口が約100億人に達すると予想され、人口増加に伴い、2030年にはタンパク質の需要が供給を上回るタンパク質危機(プロテインクライシス)が起こるといわれている。

動物肉を生産する過程では、畜産動物から発生される温室効果ガスや、畜産に必要となる広大な土地確保によって、環境への負荷が懸念されている

こうした背景の中、動物肉に代わる手段として、代替肉の開発が国内外問わず、急ピッチで進められており、参入企業に集まる投資も増えている。

世界的にプラントベースへの移行は進んでおり、世界のプラントベース市場は2027年には138億ドル規模に達すると予想される。

オレンジ色が植物肉 出典:Edison Investment Research

Edison Groupによると、2040年には食肉全体の60%が培養肉または植物肉になると予想される。

今年から来年にかけて、代替肉のインポッシブルフーズ、植物卵・培養肉のイート・ジャストが上場する可能性もあり、代替肉市場の競争は今後さらなる激化が予想される。

こうした海外プレーヤーが先行してひしめく中、2020年6月に設立されたネクストミーツの動きはまさに「爆速」。

社長・CEOの佐々木英之氏(左)と米国法人CEOの白井良氏(右) 出典:Forves(創業7カ月で時価総額479億円 「代替肉で地球を救う」ネクストミーツの野望)

同社は昨年12月に豊田通商と戦略的パートナーシップを締結。同月にベトナムでの生産ラインを稼働スタート、4月にはフードテックが盛んなシンガポールのレストランに導入

先月から今月にかけては、香港の焼肉ライク、イオンに導入されるなど、日本のみならず海外での存在感を急速に高めている。

海外への進出を急速に進める背景には、「気候変動問題は日本だけでは解決できない」という想いがある。日本では、代替肉が必要になる環境問題、食料危機に対する意識は諸外国と比べると低い。

代替肉になじみがない層にも、デパ地下、スーパーへの導入によってリーチをはかり、海外進出を急速に進めるネクストミーツは、「2050年までに世界中で全ての肉を代替すること」を目指している。

 

※ネクストミーツの商品は通販では公式サイト、Oisixで販売されている。

ネクストミーツ公式サイト

食材宅配サービスのOisix(Oisixで買えるのは「焼肉シリーズ」)
※おためしセットにはネクストミーツの代替肉は含まれていない

 

参考記事

代替肉のネクストミーツ、代替肉製造専用の自社工場「NEXT Factory」新設のお知らせ

代替肉のネクストミーツ、新潟・長岡に自社工場(日本経済新聞)

ネクストミーツ株式会社(東京都新宿区)が、新潟県長岡市に研究機関を併設した代替肉の工場を建設(にいがた経済新聞)

 

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アイキャッチ画像の出典:ネクストミーツ

 

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