代替プロテイン

キッチンカーで植物肉を広めたい|学生団体Planmeetがクラウドファインディングをスタート

 

植物肉という食の選択肢を広げるために、早稲田大学などの学生による学生団体Planmeet(プランミート)は2ヵ月間、植物肉専用キッチンカーを出店することを発表した。

キッチンカーでは、グリーンカルチャー社の植物肉を使ったロコモコ丼、タコライス、唐揚げなどを販売する。

販売されるロコモコ丼 出典:Planmeet

焼肉屋の息子であり、自身も肉好きであるPlanmeet代表の足立楓氏は、アメリカ留学中にベジタリアンの友人との出会いをきっかけに、食生活を変える必要性について考え始める。

畜産で排出される温室効果ガスは全体の約15%に相当し、自動車による排出量に匹敵する。牛肉1kgを生産するのに14000Lの水、11kgの穀物が必要とされ、すでに地球全体の農地の8割が畜産に使用されている。

こうした畜産が抱える地球温暖化、森林破壊、水問題、食料問題を解決するために、国内外で大豆など植物成分を使った植物肉の市販化が進んでいる。

足立氏は、植物肉が問題解決のカギとなると考えた。肉好きの人でも、食事の一部をいつも食べている動物肉から植物肉に置き換える。これなら無理なくできると考えた。

出典:Planmeet

しかし、日本では植物肉の認知度は低い。食べたことない人はまだ多い。植物肉(代替肉)がなぜ必要なのか?と疑問に思う人もいる。この現状を変えるために、植物肉を知り、食べてもらうきっかけ作りとなるキッチンカープロジェクトが始動した。

足立氏の想いに共感したメンバーが集まり、2021年3月にPlanmeetを発足。グリーンカルチャー社に送った一通の手紙からプロジェクトが始動した。

「地球環境の改善に植物肉が役立つと信じています。グリーンカルチャーの力を貸していただけないでしょうか」

試食会でメニューを決め、食品衛生責任者の資格を取り、営業許可を取得し、レシピの改良を重ねた。

出典:Planmeet

プロジェクト立ち上げの背景には、植物肉普及を阻むもう1つの現状がある。植物肉を知って食べたいと思っても、取り扱っているスーパー、レストランがまだ限定されていることだ。スーパーで販売されていたとしても、目立たない所に置かれていることもあり、見つけるのは簡単ではない。

キッチンカーなら、植物肉を知らない・買えないというハードルを下げることができる。

Planmeetは今月27日よりキッチンカーの出店を開始する。

これにあわせ、植物肉を広めるキッチンカー営業に必要な費用のために、クラウドファンディングをスタートした。目標金額は70万円で、期間は10月31日まで。「食べて応援プラン」「とにかく応援プラン」「限定グッズプラン」「スポンサープラン」が用意されている。

Planmeetチーム 出典:Planmeet

キッチンカーでの販売期間は、9月27日から11月25日まで。出店場所はPlanmeetのSNSで確認できる。

現時点で、次のエリアに出店予定となっている。

西早稲田:早稲田大学 西早稲田キャンパス

大手町:大手町川端フードガーデン

下北沢:下北線路街

市ヶ谷:四番町THビル

北千住:北千住駅東口前スポット

 

参考

第四のお肉を選択肢の1つに!植物肉の特製ロコモコ丼をみんなに届けたい!

グリーンカルチャー、大学生が運営するキッチンカーにて植物肉コラボメニューの提供を開始。

アイキャッチ画像の出典:Planmeet

 

関連記事

  1. カーギルがマイコプロテインの英ENOUGHと販売契約を締結
  2. PFerrinX26、米国で生産能力200トンの精密発酵ウシラク…
  3. マイコプロテイン由来の代替肉を開発するMycorenaが約30億…
  4. ShiruがAIプラットフォームで開発した最初の製品「OleoP…
  5. 食品廃棄物を活用してマイコプロテイン由来の代替肉を開発するMyc…
  6. 菌糸体生産のB2Bソリューションを開発するKyndaがドイツ政府…
  7. Mirai Foodsが厚さ1.5cm以上の培養テンダーロインス…
  8. 中国の培養肉企業Jimi Biotechnologyが100%培…

おすすめ記事

代替コーヒーのPrefer、タイ味の素社と提携|持続可能なコーヒー飲料の開発でグローバル展開へ

出典:Prefer2025年8月18日追記シンガポールのフードテック企業Preferは今…

スーパーミート、システムのオープンソース化で培養肉の商用化を加速

イスラエルを拠点とする培養肉企業スーパーミートが商用化に向けて加速している。…

Oobli、精密発酵甘味タンパク質市場の拡大へ―Ingredionとの提携と日本企業からの出資で成長を加速

精密発酵で甘味タンパク質を開発する米スタートアップ企業Oobli(旧称Joywe…

米Helaina、約65億円の調達で精密発酵ヒトラクトフェリンの商用化を加速

精密発酵でラクトフェリンを開発する米Helainaは今月、シリーズBラウンドで4…

モサミートはいかにしてFBSを使わずに培養牛肉を生産したのか?研究者が論文を発表

オランダの培養肉スタートアップ企業モサミートは今月13日、ウシ胎児血清(FBS)…

培養魚企業ブルーナル、回転ずしチェーン「スシロー」を展開するフード&ライフカンパニーズと提携

写真はイメージ画像(ロゴは各社より引用)クロマグロ、ブリなどさまざまな培…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(12/14 16:23時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/15 03:05時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/14 06:39時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/14 22:24時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/14 14:23時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(12/15 01:44時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP