フードテック

プラスチック使用削減のために食用スプーンを開発したIncrEDIBLE Eats

 

食事で使用されるプラスチック製品を減らすために、食べられるスプーンが登場した。

IncrEDIBLE Eats(インクレディブル・イーツ)が開発したスプーンによって、プラスチック廃棄物から地球を救う活動が、これまで以上に「美味しい」ものになる。

温かいスープ、冷たいデザートに使える食用スプーン

出典:IncrEDIBLE Eats

IncrEDIBLE Eatsが開発した食用スプーンは、小麦粉、玄米、コーンフラワー、オート麦粉末、ひよこ豆粉末などを原料にした100%ビーガンなものとなる。

現在、公式サイトでは初代製品のスプーン1.0が販売されている。おいしさ、噛みやすさを改良した、バージョン1.0より薄いスプーン2.0の予約注文も公式サイトで受け付けている。

スプーンの味は最小限にしてあり、アイスクリームや温かいスープに使用しても30分間、構造を保持することができるという。

大小のサイズから、チョコレート、バニラ、ブラックペッパーなど複数のフレーバーが用意されている。

IncrEDIBLE Eatsはサステナビリティに対する情熱を持った様々なバックグランドを持つメンバーから構成されるスタートアップ企業。同社は、プラスチックでできたすべてのキッチン用品を「食べられる」ものに置き換えることを使命としている。

大手アイスクリームブランドが「食べられるスプーン」を導入

出典:Dippin’ Dots/IncrEDIBLE Eats

今月12日、アメリカで人気のビーズアイスクリーム企業ディッピン・ドッツが、IncrEDIBLE Eatsとの提携を発表した

ディッピン・ドッツは瞬間冷却で作られた小さなつぶつぶ状のアイスクリームで、スプーンが必要となる。ディッピン・ドッツに添付されるスプーンはチョコレート、バニラの2つのフレーバー。

同社はプレスリリースで、全国の店舗に向けてIncrEDIBLE Eatsの食用スプーンを出荷し、全国展開を開始することを発表した。

IncrEDIBLE Eatsの共同創業者Dinesh Tadepalli氏は、同氏の子供とアイスクリームショップを訪れた時、カップやスプーンがごみ箱に捨てられているのを見て、「食べられるカトラリー」のアイディアを思いついたと語る。

出典:IncrEDIBLE Eats

同社は2021年、アメリカの人気番組Shark Tankに出演し、注目を集めた。今後はスプーンのほかに、ストロー、箸、ボウル、プレートがラインナップに加わる予定だという。

プラスチックは安定性の高さからペットボトル、紙おむつ、釣り糸、ゴミ袋など幅広く使用されているが、分解されるまで数十年から数百年かかるため、カトラリーの脱プラスチック化が進んでいる。

IncrEDIBLE Eatsの食用スプーンが広く実用化されると、たとえごみとして海や川に廃棄されたとしても、食品と同じように自然に分解されるため、地球の環境、生態系、動物に悪影響を及ぼす有害物質、プラスチックなどを残すことはない。

 

参考記事

Dippin’ Dots Teams Up with IncrEDIBLE Eats to Provide Eco-Friendly Spoon Option to Customers

Dippin’ Dots Begins Roll Out of Edible Spoons from IncrEDIBLE Eats

 

 

関連記事

  1. 培養肉企業MeaTechが約100グラムの3Dプリントされた培養…
  2. 英Hoxton Farms、2026年に培養脂肪製品を市場投入へ…
  3. 黄身・白身・殻を再現した植物性代替卵を開発するNeggstが約6…
  4. 塩生植物からルビスコタンパク質を抽出するThe Leaf Pro…
  5. 3D Bio-Tissuesが植物性足場を使用しない培養ステーキ…
  6. 微生物発酵CDMOのスイス企業Planetaryがコニカミノルタ…
  7. Novameatが約7億円を調達、独自3Dプリント技術による代替…
  8. Believer Meats、培養肉の生産拡大に向けてGEAと戦…

おすすめ記事

植物性代替肉SavorEatがイスラエルでIPO(上場)、2021年夏までに試験販売を開始

このニュースのポイント ●植物性代替肉に取り組むイスラエル企業Sav…

精密発酵でアニマルフリーなチーズを開発する独Formoが約55億円を調達

微生物発酵でアニマルフリーなチーズを開発するドイツ企業FormoがシリーズAで5…

二酸化炭素からタンパク質を作る英ディープ・ブランチ、アイスランド国営電力会社と提携

二酸化炭素を原料に持続可能で高品質な食品・飼料用タンパク質を開発するイギリス企業…

精密発酵で母乳タンパク質を開発するHelainaがシリーズAで約22億円を調達

精密発酵で母乳タンパク質を開発するHelainaがシリーズAラウンドで2000万…

New Cultureが世界で初めて精密発酵カゼインでGRAS自己認証を発表

精密発酵でカゼインを開発する米New Cultureが、世界で初めて精密発酵カゼ…

発酵技術で代替シーフードに挑むAqua Cultured Foodsがプレシードで約2億4000万円を調達

微生物発酵でシーフードを開発する米Aqua Cultured Foodsがプレシ…

精密発酵レポート・予約注文開始のお知らせ

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

精密発酵レポート・予約注文開始のお知らせ

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(10/23 13:55時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(10/23 23:26時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(10/24 03:11時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(10/23 19:49時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(10/23 12:08時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(10/23 22:47時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP