代替プロテイン

培養脂肪の英Hoxton Farmsが約32億円を調達、ロンドン市内にパイロット工場建設へ

 

培養脂肪を開発する英Hoxton Farms(ホクストン・ファームズ)はシリーズAラウンドで2200万ドル(約32億円)を調達した。

同社は調達した資金で培養脂肪を生産するためのパイロット工場をロンドン中心部に建設するほか、規制当局への申請、パートナーシップの拡大、培養脂肪の生産コスト削減を目指す。

「脂肪は感覚に訴える最も重要な成分」

出典:Hoxton Farms

Hoxton Farmsは脂肪を、代替肉を美味しくするために必要だが欠けている素材だと考えている。

市販されている植物由来の代替肉の多くは、動物油脂の代わりとしてココナッツオイルやヒマワリ油など植物油脂を使用している。しかし、植物油脂は融点や構造の点で、動物油脂の特性をカバーするには限界があり、「植物油脂のために既存の代替タンパク質は期待外れなものになっている」というのがHoxton Farmsの考えだ。

共同創業者のMax Jamilly氏はプレスリリースで、「脂肪は、私たちが食べる肉の中で感覚に訴える最も重要な成分です。植物タンパク質とあわせて培養脂肪を使用することで、植物肉に欠けていたジューシーさと風味を備えた製品を作れることを示してきました」とコメントしている。

ロンドン中心部に培養脂肪のパイロット工場建設へ

共同創業者のMax Jamilly氏(左)とEd Steele氏(右) 出典:Hoxton Farms

昨年2月にシードラウンドで270万ポンド(当時約3.9億円)を調達してから、Hoxton Farmsは自社の計算プラットフォームの力を実証してきた。

同社チームは、機械学習と数理モデルを活用し、独自のバイオリアクターと低コストのアニマルフリーな培地を開発している。同社は現在、生産能力をスケールアップするために、東ロンドンのショーディッチに13,000平方フィート(約1200㎡)のパイロット工場を建設している。

培養肉をはじめとする細胞培養タンパク質では、大量生産が課題として指摘される。従来の商用規模の細胞培養方法は、より大きなバイオリアクターの構築に基づいている。同社によると、このアプローチは製薬業界では理にかなっているが、大規模・低コストの食品生産には適さない。

Hoxton Farmsは代わりに、スケールアウト戦略を選択した。ソフトウェアと自動化で接続された小さなバイオリアクターを多数使用する方法だ。これにより、商用規模の培養脂肪を劇的に低コストで生産できることが証明されたという。Hoxton Farmsの新しいパイロット工場では、大量のボリュームでこの新しいアプローチを実証する予定だ。

植物肉市場成長の鍵となる「脂肪」

出典:Melt&Marble

これまでに細胞培養タンパク質の販売認可がおりた唯一の国はシンガポールであり、他の国では認可されていない。Hoxton Farmsは販売認可を取得後に、代替肉のB2B原料として培養脂肪の販売を計画している。

Good Food Instituteのレポートによると、2021年のアメリカの植物由来製品の小売売上高は、前年比6%の74億ドルを記録した。この中で植物肉は前年比で唯一、横ばい状況となった。

この点についてJamilly氏は、「植物肉市場の成長は鈍化しています。以前よりも選択肢は増えていますが、消費者が求めているのは従来の肉の美味しくて、ジューシーな食感です。アメリカでは2021年に植物肉の売上・市場シェアが停滞し、アメリカの消費者の60%は味を理由に植物肉を試すことに消極的になっています」と述べ、植物肉市場のさらなる成長に欠かせない要素として、脂肪がキーファクターになることを強調している。

今回のラウンドはCollaborative FundFine Structure Venturesが主導した。前者はインポッシブルフーズ、ビヨンドミートにも初期出資していたベンチャーキャピタルとなる。このほか、Systemiq CapitalAgFunderMCJ CollectiveFounders FundSustainable Food Venturesなどが参加した。

Hoxton Farmsは現在20名のチームだが、2023年末までにスタッフを50名まで増やす予定だという。

 

参考記事

Hoxton Farms Raises a $22m Series A to Solve the Big Fat Problem for Meat Alternatives

 

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アイキャッチ画像の出典:Hoxton Farms

 

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