野菜や果物の鮮度を延長する植物スプレーを開発した米Apeel Sciencesは昨年、アボカドを傷つけることなくアボカドの熟度を即座に判断できる新しいソリューションを発表した。
高度な画像処理技術と機械学習を組み合わせることで、同社は果物内部の品質と熟度の可視性を高めることに成功した。このソリューションにより農家や小売業者は、より多くの情報に基づいて仕訳、出荷、商品化の決定を行えるようになる。
米Apeel Sciencesがアボカドの熟度を即座に把握するスキャンサービスを開始
消費者にとって熟度は、アボカドの購入と調理への使用を決定する主要要因となる。
Apeel Sciencesが開発した高度な画像処理システムは、アボカドに明るい光線をあてることで機能する。
光線は皮膚の下数ミリメートルにまで浸透し、可視・近赤外スペクトルで反射された光の量をセンサーが測定する。次に、機械学習モデルが、この測定された光スペクトルを変換し、アボカドの硬さ・乾燥物質量を正確に予測する。測定値によって、2日後、4日後など、アボカドの食べごろの時期を把握できるようになるという。
Apeel Sciencesによると、同社技術が開発されるまでは、アボカドの熟度は通常、針を使用して果物に穴を開け、柔らかさを測定するペネトロメーターを使用して確認されていた。また、油分含有量の代理推定値となる乾燥量は、通常、サンプルを電子レンジで加熱するなど面倒で無駄のあるプロセスによって決定される。
これらの試験方法は、破壊的評価であり、食品廃棄物を生ずるだけでなく、大規模な継続的運用には適用できないため、意思決定に使用できるデータの量が限られると同社は指摘している。
Apeel Sciencesの技術は、同社が2021年に買収したImpactVisionの技術を進化させたものである可能性が高い。ImpactVisionは、内部を可視化するハイパースペクトルイメージング技術を有する企業となる。
工場、小売、消費者向けの熟度スキャナー実用化を目指す
Apeel Sciencesはこの画期的技術を展開するため、いくつかの新しい試みを発表しており、試験運用を実施している。
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アイキャッチ画像の出典:Apeel Sciences