フードロス

フードロス削減に取り組むオランダ企業OneThirdが約1億9000万円を調達

 

フードロス削減に取り組むオランダ企業OneThirdが150万ユーロ(約1億9000万円)を調達した。

同社は農家、小売業者、販売業者向けに農作物の貯蔵期間を予測するツールを開発している。

農作物の内部を見える化するOneThird

OneThirdによると、農家から小売業者まで新鮮な農作物を届けるのは簡単ではない。

これは、季節や天候などの環境条件によって、農作物の品質が異なるため。

そこで、同社は「新鮮な農作物の品質予測プラットフォーム」と呼ぶ、農作物を数秒で検査できる技術を開発した。

出典:OneThird

このプラットフォームは、ハンディタイプのスキャナー、近赤外線センサー、AI、データから構成される。

農作物のスマートフォン画像、関連する環境データを組み合わせることで、AIが農作物の内部と外部の品質、貯蔵期間、味までを正確に決定する。

推定貯蔵期間は1秒以内に算出される。

創業者のMarco Snikkers氏はプレスリリースで次のように述べている。

「当社独自の予測技術によって、品質を検査する人が食品サプライチェーン全体で、新鮮な農作物の貯蔵期間や品質パラメータのフィードバックを直ちに取得し、より適切な決定を下せるようになります。

新鮮な農作物の正確な貯蔵期間がわからなければ、サプライチェーンで予期しない不要な事態の発生につながりますし、消費者にとって望ましくない体験となります」(Marco Snikkers氏)

サプライチェーン全体に組み込めるOneThirdのソリューション

出典:OneThird

OneThirdの社名が示すとおり、世界の食品の3分の1が毎年廃棄されている。

これらの食品廃棄は、消費者が購入後に腐敗したものから、スーパーで販売されなかったもの、輸送中、収穫後に痛んだものなどが含まれる。

国連は、フードロスを主要な課題の1つと考え、持続可能な12の目標の1つに設定。2030年までに1人あたりの食品廃棄量を半分にすることを目標に掲げている。

OneThirdによると、同社の技術はサプライチェーンの複数の段階に組み込むことができる。

出典:OneThird

農家であれば、どの農作物を先に出荷するべきか決定するのに活用できる。貯蔵期間が最も短いものから出荷すれば、不要なフードロスを削減できる。

小売業者の場合は、OneThirdのプラットフォームを活用することで、受け取る農作物が最低限の貯蔵期間の基準を満たしているか確認でき、品質の良いものだけを受け取ることができる。また、従業員が店舗で販売する商品の品質評価にも役立てられる。

卸売業者は出荷前にバッチ毎の貯蔵期間を測定することで、貯蔵期間の長さに応じて出荷タイミングを決めることができ、出荷中の腐敗を防ぐことができる。

増えるフードロス解決に取り組む試み

OneThirdはオランダのエンスヘーデを拠点とするスタートアップ企業で、2018年に設立された。

今回のラウンドは、オランダを拠点とするベンチャーキャピタルSHIFT Invest、OostNLが参加した。

同社は調達した資金で、品質予測プラットフォームの開発を加速させ、小売業者に向けたパイロット試験の拡大を図る。

さらに、AIに特化した企業Impact Analyticsを買収し、技術チームの拡充を図る考え。

創業者のMarco Snikkers氏 出典:OneThird

OneThirdのようにフードロス削減に取り組む企業はほかにもある。

Hazel Technologiesは青果物の鮮度保持期間を延長する小袋を開発。輸送箱に入れた小袋が、野菜や果物の老化の原因となるエチレンガスの放出を抑制する。

RipeLockerは腐敗しやすい食品を数週間~数ヵ月にわたって保持できる、特殊なコンテナを開発した。

Shelf Engineは腐敗しやすいが、注文しすぎると逆にフードロスにつながる難しい食品の需要について、AIが過去データ、天候、地域行事など関連要素を組み合わせて予測することで、食品廃棄だけでなく在庫切れを減らすソリューションを提供している。

Apeel Sciencesは青果物に吹きかけるだけで鮮度保持期間を延長できる植物由来の特殊素プレーを開発。

同社は小売だけでなく、新鮮な農作物を市場まで届けることが難しい発展途上国の小規模農家の支援にも乗り出している。

さらに、低温調理肉を常温で2年間保存できるソリューションを編み出した香港のIXON社など、農家、小売、卸売、流通業者、消費者などサプライチェーン全体におけるフードロスのソリューションが次々と登場している。

 

参考記事

OneThird Raises €1.5M for Its Food-Waste-Fighting Tech

OneThird raises EUR 1.5 million in funding round to reduce food waste

 

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アイキャッチ画像の出典:OneThird

 

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