アメリカの培養肉企業New Age Eats(旧称New Age Meats)は、会社を閉鎖することを発表した。同社創業者でありCEO(最高経営責任者)のBrian Spears氏が自身のリンクトインで発表した。
Spears氏は、「New Age Eatsを閉鎖するという苦渋の決断を下しました」と述べ、5年間にわたる運営に終止符を打つことを発表した。
「CEOとして、私は閉鎖の最終的な責任を負います。5年前に開始したとき、培養肉を開発、商用化する青写真はありませんでした。優秀で才能のあるチームを支援してくださったすべての人に感謝します」(Brian Spears氏)
New Age Eatsは2021年2月にシードラウンドで約2.1億円、同年10月にはシリーズAラウンドで約28億円を調達し、パイロット工場の建設計画を発表した。培養肉と植物肉をブレンドした培養豚肉ソーセージを開発する同社は、化学系エンジニアのキャリアを有するSpears氏によって2018年に設立された。
Spears氏は、「屠殺せずに肉の経験を作り出すことは非常に難しいです。私たちは、高コスト、少量製品用に設計されたヒト用の健康アプリケーションのバイオテック技術から着手し、低コストで大量生産製品への転換に取り組みました。これはコスト、時間がかかり、多くの忍耐強い資本が必要になります」と述べている。
Spears氏はそのうえで次のように述べ、新市場の確立には時間と資金が必要であること、長期間を要する研究開発と投資のタイムラインを一致させる難しさについて言及している。
「我々の規制された業界では、しばらくの間、販売することができません。収益がなければ、他の資金源に頼ることになります。培養肉の商用化が実現可能か検証する最も効率的な方法は投資家であることがわかっていますが、残念ながら、昨今の資本市場の混乱により、投資を呼び込むことができませんでした」
(Brian Spears氏)
New Age Eatsは閉鎖することになったが、Spears氏は培養肉業界の前進に期待を寄せており、「複数の企業がバトンを受け取り、当社の技術を使用して共通の使命を推進します」と述べている。
Spears氏は発表の中で、「何年にもわたり、これらの視点を得るための精神的苦痛はかなりのものでした。創業者も含めたメンタルヘルスについて、よりオープンに議論されていることに励まされます」と述べ、創業者のメンタルヘルスに焦点をあてる重要性についても率直にコメントしている。
参考記事
Cultivated Pork Startup New Age Eats Shuts Down After Five Years Amidst ‘Recent Market Turmoil’
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アイキャッチ画像の出典:New Age Eats