代替肉用に菌類由来の機能性成分を開発するドイツ企業Nosh Biofoods(以下、Nosh.bio)は先月、赤身肉のような味・食感を備えたマイコプロテインを開発するため、米Ginkgo Bioworksと提携した。
Nosh.bioによると、ステーキなど赤身肉に代わる代替肉の開発は依然として難しく、現在の代替肉には多くの原料と化学添加物が使用されている。同社はまた、代替肉を開発する企業は、加工の手間が少なく、手ごろな価格の代替タンパク質を開発するという課題に直面していると指摘している。
Nosh.bioはGinkgo Bioworksの菌株最適化サービスを活用して、動物肉よりも健康的でありながら、赤身肉のような味・食感を備えた単一成分の開発を目指す。
Nosh Biofoodsが赤身肉のようなマイコプロテインの開発でGinkgo Bioworksと提携
2022年に設立されたNosh.bioは、単一成分として代替肉や添加物として使用できる多用途なマイコプロテインを開発している。
味、色、性能、栄養に優れたマイコプロテインの開発に向けて、Ginkgo Bioworksは同社のカプセル化・スクリーニング技術(EncapS)を使用して、突然変異を誘発し、スクリーニングを実行する。これにより、1回で最大100万の変異体を検索し、優れた性能を持つ菌株候補を選定することが可能になるという。
Ginkgo BioworksのEncapS技術は「商業的に競争力のあるタイムラインで候補を見つける可能性を高める」もので、Nosh.bioはこの協業により、より短期間で理想的な菌株を特定できる可能性がある。
Nosh.bioの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のTim Fronzek氏は、「Ginkgoとの提携で本当に嬉しいことは、極めて『肉らしい』マイコプロテインを特定し、開発するのに役立つ高速スクリーニング技術です」と述べている。
肉もアイスクリームも同一成分から作成するNosh.bioの技術
関連記事
アイキャッチ画像の出典:Nosh.bio