代替プロテイン

米AQUA Cultured Foodsが代替シーフードでGRAS自己認証を取得

 

追記(2024年8月8日、15日)

Aquaはこれまで菌類由来の代替シーフードを開発してきましたが、最新報道で、「細菌と酵母」を使用した微生物発酵にシフトしていることが判明しました。共同創業者のBrittany Chibe氏から直接、マイコプロテインも菌類も使用していないことを確認しましたので、修正・記事を一部削除しました。

 

微生物発酵で代替シーフードを開発する米AQUA Cultured Foodsが、GRAS自己認証の取得を発表した。これにより、同社は代替シーフードをアメリカで販売できるようになる。Green queenが報じた。

Green queenの報道によると、来月、レストランでの提供を開始する。

AQUA Cultured Foodsが代替シーフードでGRAS自己認証を取得

出典:AQUA Cultured Foods Brittany Chibe氏のLinkedIn

公式サイトによると、AQUA Cultured Foodsのプロセスでは、バイオマス発酵と伝統的な発酵を使用。微生物から栄養豊富な培養液を生成し、特許出願中のプロセスにより、「特製スープ」の中で繊維を発酵させて、ホールカットのバイオマスを生成する。低温殺菌後、味や色を微調整して、マグロやホタテの代替品ができあがる。魚を使わない代替シーフードが完成するまでの期間は数週間となる。

公式サイトの記載から、液中発酵後、増やした菌類バイオマスを垂直に積み上げたトレイの中で繊維感のある状態に成長させていると思われるが詳細は不明である。

AgFunderの報道によると、同社は以前、菌類を使用して研究開発に取り組んでいたが、現在は「細菌と酵母」を使用した微生物発酵を行っている。共同創業者のBrittany Chibe氏に確認したところ、生産にはマイコプロテイン・菌類は使用していないとFoovoに述べた(2024年8月15日追記)。

AQUA Cultured Foodsは今年4月、代替シーフードの生産を最適化するため、米バイオテック企業のギンコバイオワークスと提携した。AQUA Cultured Foodsは生産に「微生物コンソーシアム」を使用しており、ギンコとの提携は、自社菌株の最適化・調整、「微生物コンソーシアム」の最適化を目指すものとなる。

発酵培地も使用した料理をシカゴレストランで春に披露

出典:AQUA Cultured Foods Brittany Chibe氏のLinkedIn

AQUA Cultured Foodsは今年春、同社の代替シーフードを料理にどのように使用できるかを示すため、シカゴのレストランBambolaでコース料理の販売前レビューを実施した

シェフのMarcos Campos氏が作製した7つの料理からなるコース料理は、AQUAのマグロ、ホタテ、ミンチエビ、さらには発酵培地まで使用したものだった。

この発表に対する質問に対し、共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のBrittany Chibe氏は当時、「規制プロセスの最終段階にある」と述べていた。来月提供するレストランは発表されていないが、Bambolaで提供される可能性もある。

 

参考記事

Exclusive: Aqua Cultured Foods Earns US Regulatory Approval for Fish-Free Fermentation-Based Seafood

 

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出典:Aqua Cultured Foods Brittany Chibe氏のLinkedIn

 

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