炒め料理やパスタを作るロボット、綿あめを自動製造するロボットなど、さまざまなフードロボットが登場する中、アメリカで卵調理を自動化したロボット「Omm」が登場した。
ニューハンプシャー州に拠点を置くBridge Appliancesが開発した「Omm」は、約2分で卵2個を調理でき、1時間に約60個の卵を調理できる「世界初」の自動卵調理ロボットだ。
カフェやレストランなど、さまざまな分野への導入が想定されている。
「Omm」を開発したLance Lentini氏は、開発の動機として、「この分野にイノベーションが欠けていることを目の当たりにしたから」だと海外メディアThe Spoonに述べている。カフェでは、卵を使った調理が厨房のボトルネックになっているという現場の話が1つのきっかけになっているようだ。
「Omm」は卵を冷蔵保存し、調理後は調理された卵を保温することが可能だという。
公式サイト・公式動画によると、ロボット上部には30個ほどの卵を保管するスペースがあり、調理前の卵は冷蔵により新鮮な状態に保たれる。スタートボタンを押すと、ロボット内部のフライパンに油が自動噴射され、卵が割られ、好みの焼き加減で調理された後、取り出しトレイに目玉焼きが置かれる仕組みとなる。
市販のスプレーオイルを使用可能で、調理の度に自動噴射される。油交換のタイミングになるとセンサーで知らせてくれるという。
Lentini氏は「Omm」について、「冷蔵から卵を割り、調理するまでをシームレスにパッケージ化した唯一の自動卵調理機」だと動画の中で述べている。
今年2月のThe Spoonの報道によると、2024年を通じて一部のクライアントに試験導入する予定だとされていた。
今年秋には、機器が完全に完成し、数週間以内にボストン大都市圏で実地導入を開始することが発表された。
他にも同様のロボットが存在するのではないかと調査した結果、TUKU Singaporeが1時間に120個の卵を調理するロボットを開発していることが確認された。ただし、TUKUのモデルに冷蔵機能があるかどうかは公開情報からは明らかではない。
卵のように繊細な食材に対応するには、慎重な取り扱いや焼き加減の微調整が求められる。レストランやカフェの現場において、この分野はこれまで十分な自動化が進んでおらず、まさにイノベーションが求められていた「空白地帯」と言えるだろう。
Bridge Appliancesは現在、公式サイトを通じてデモを受け付けており、「Omm」の普及がどのような変化をもたらすのか注目したい。
参考記事
The Origin Story Behind OMM, the Countertop Egg-Making Robot from Bridge Appliances
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アイキャッチ画像の出典:Bridge Appliances