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“見えない卵”を置き換え、食卓の多様性を守る-日本企業UMAMI UNITED JAPANの「インビジブルな」代替卵戦略|創業者インタビュー

山﨑寛斗氏(出典:UMAMI UNITED JAPAN)

 

「バターとマーガリンのように“当たり前の存在”になりたい」。

代替卵を手がけるUMAMI UNITED JAPANのこの言葉には、地に足の着いた現実的な視座がにじむ。同社は、卵の存在が意識されにくい用途から置き換えを進めることで、誰もが同じテーブルを囲める、多様性を受け合う社会の実現を目指している。

CEO(最高経営責任者)の山﨑寛斗氏は、「親子や友人と同じテーブルで食事を楽しみたいのに、誰かが我慢しなきゃいけない現実をたくさん見てきました。だからこそ、多様性を受け合う社会を作りたい想いが一番根底にあり、“ワンテーブル”を私たちのミッションに掲げています」と述べる。

目立たない卵こそ、変革の起点に

出典:UMAMI UNITED JAPAN

UMAMI UNITED JAPANが取り組むのは、スクランブルエッグ製品などのような“見える卵”の代替ではない。

「無意識の卵、目に見えない卵を変えたいんです。たとえば麺やハンバーグ。あれって卵を食べたいから食べるんじゃなく、機能のために入ってるんですよね。これを変えたいです」

同社が注目するのは、卵が結着や保水・膨化などのインビジブルな“機能”として使われている川上の用途だ。そこに本質的な変革の余地があると考えている。

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インタビュー実施時期:2025年4月下旬

 

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アイキャッチ画像の出典:UMAMI UNITED JAPAN

 

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