リテール

Cooler Screens|店舗の冷蔵食品棚を動的な広告に変えるインタラクティブディスプレイ

 

 

このニュースのポイント

 

消費行動の「文脈」を読むスマート冷蔵食品棚ドア

動的な広告表示で売上向上

●来年にはアメリカのドラッグストア・ウォルグリーン2500店舗に導入予定

●10月に約82億円を調達

 

 

店内に入って、冷蔵食品棚へ行き、コカ・コーラボトルを手にする。

この何気ない購買活動を一気に変えるデジタル製品が登場した。

Cooler Screensだ。

Cooler Screensは冷蔵食品棚のドアになるスマートディスプレイ

消費者が前に立つと、動的な映像に切り替えたり、テレビCMのような広告映像を映し出したりして、購買意欲をかきたてる

消費者は映像を見て、買うつもりのなかった商品も手に取ってしまう。

Cooler Screensは米国ドラッグストアチェーンのWalgreens(ウォルグリーン)50店舗に導入されており、今後は2500店舗に導入が拡大される予定。

10月には8億ドル(約82億円)を調達した。

これまでの購買をインタラクティブに変身させるスマートディスプレイCooler Screensは、どんな可能性を秘めているのだろうか?

消費者の「文脈」を読むインタラクティブなCooler Screens

出典:Cooler Screens

Cooler Screensはシカゴを拠点とするスタートアップ。

カスタマーエクスペリエンスを抜本的に変える、食品棚用デジタルディスプレイを開発している。

誰もが店内で透明なガラス張りの冷蔵食品棚を使用したことがあるだろう。

従来の冷蔵食品棚は、ガラス張りで中が見える状態になっている。

陳列棚の前は、消費者がどの商品を買うかを決める、重要な場所といえる。

出典:Cooler Screens

もしここで、消費者に商品の詳しい内容を表示したり、ほかにおすすめな商品を表示できたりしたらどうだろう?

動きのない冷蔵食品棚をインタラクティブにしたのが、Cooler Screensのデジタルディスプレイだ。

スクリーンが最新かつ関連する情報を教えてくれるので、消費者は予算、好み、健康にぴったりな商品を選択できる

たとえば、どのドリンクがゼロカロリーで、どれが割引価格かを表示してくれる。

食品棚の前を通りかかると、喉に快適な刺激を与えてくれる炭酸たっぷりなコーラの映像があなたの喉を誘惑する。あるいは、とろけんばかりのチーズと共に熱々のピザの映像があなたの食欲をそそる。

出典:Cooler Screens

ヴィーガン食品商品のカロリーを、スクリーンで確認することもできる。

まさに、オンラインで買い物する感覚を実現するのがCooler Screensだ。

これまでの扉が開かれるのを待っているだけの受け身の食品棚から、消費者にあれもこれもと提案をする、熱心な店員のように、積極的な役割を持つ食品棚に変身する。

コンテンツ連動型広告をwebから店舗の陳列棚で持ってきたようなデジタルディスプレイだ。

他の商品を探していた消費者の足を止めるだけでなく、ビールだけ買おうとした人に、ピザを追加で購入させるような、アップセル効果も期待できる

「これまでの冷蔵食品棚はもう使いたくない」

オンラインで買い物するように、情報を確認できる 出典:Cooler Screens

正式導入に先立ち、6か所でCooler Screensを試験導入をしたところ、9割のユーザーから「これまでの冷蔵食品棚は使いたくない」という好意的なフィードバックを得られた。

8割の人が、商品を探しやすくなったと回答している。

こうしたフィードバックを受け、Cooler ScreensはシカゴのWalgreens(ウォルグリーン) 50店舗への導入を10月に発表した。

 

ウォルグリーンは、アメリカのドラッグストアで、昨年1月に、マイクロソフトと7年の戦略的パートナーシップを結んでいる。

 

今後は、2020年~2021年にかけて全米のウォルグリーン2500店舗に拡大することを発表している。

この拡大により、月あたり7500万人、1日に250万人の消費者に店内でリーチできる試算となる。

店舗にもたらすメリット

Cooler Screensを導入した店舗では売上が上がった。

試験導入した店舗は導入していない店舗と比べ、売上は1.5倍~2倍に増えた

Cooler Screensを導入した店舗では、広告商品は広告の対象でない商品よりも、回転率が2倍~10倍速くなった

売上向上、商品の回転率が上がるほかに、在庫切れ情報がリアルタイムで可視化されるので、販売効率が向上するというメリットもある。

センサーがリアルタイムで消費データを収集し、分析する。 出典:Cooler Screens

各ブランドは、店頭で消費者に直接的に訴えかけ、適切なタイミングで訴求できるので、購買意欲にプラスの効果をもたらすことができる。

こうしたメリットを享受するために、コカ・コーラペプシコネスレタイソンミラークアーズ(アメリカのビール醸造会社)、コナグラ(アメリカの食品会社)、チョバーニ(アメリカの乳製品企業)、レッドブルなど100以上のトップブランドがCooler Screensにこぞって参加している。

商品陳列棚のデジタル化と聞くと、個人情報の流出を不安に思う人もいるかもしれない。

Cooler Screensは、個人を特定できるデータは収集も保存もしないので、消費者にとって安全なプラットフォームだ。

10月に約82億円を資金調達、ABテスト機能も追加予定

Cooler Screensは10月にシリーズCラウンドで8億ドルの資金調達を実施した。

マイクロソフトのアーリーステージ企業に投資する投資部門M12、アメリカのベンチャーキャピタルGreatPoint VenturesVerizon VenturesSilicon Valley Bankが出資した。

CEOのArsen Avakianは、調達した資金で技術をさらに開発していくとしている。

「ショッピングにおける文脈を知ることの方が、(消費者が誰であるか)よりも大切です」

とAvakianが語るように、

ショッピング時のふるまい、行動、時間、天気、金額などをトータルで考慮し、「文脈」を読んで最適な購買訴求をするディスプレイだといえる

Cooler Screensはコンテンツ連動型広告プラットフォームをさらに強化して、ABテストを実施できるような機能の導入を進めるとしている。

店舗、メーカーにとって受け身だった陳列棚が、Cooler Screensによって、ABテストまでできる強力なマーケティングツールに変わりつつある。

Cooler Screensのデジタルディスプレイに参加するブランドは半年で3倍になっており、今後も増えていくのは間違いないだろう。

 

参考記事

Cooler Screens Expands Its New Digital In-Store Experience at Walgreens

Cooler Screens Raises $80M, Plans to Make 25 Chicago Hires This Year

Cooler Screens Raises $80M for its In-Store Electronic Display Doors

店舗の冷蔵食品棚のトビラをインタラクティブスクリーンに変えるCooler Screens

 

アイキャッチ画像の出典:Cooler Screens

 

 

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