Foovo Deep

かつて年間8,000トンを生産──忘れられたマイコプロテインPEKILO、Eniferがグローバル展開を加速【セミナーレポ】

食品用PEKILO Foovo(佐藤)撮影

フィンランドのスタートアップEniferは、かつて同国で商業化されながらも歴史の中に埋もれたマイコプロテイン「PEKILO(ペキロ)」を、今度は世界市場に向けて蘇らせようとしている。

2025年6月18日に開催されたFoovoセミナーには、同社でLaboratory Officerを務める林小百合氏が登壇した。人生のほぼ半分をフィンランドで過ごしてきた林氏は、持続可能で高機能なタンパク源としてのPEKILOの歴史、グローバルな事業展開の現状について語った。

パルプ産業の副産物から生まれた世界初のマイコプロテイン

出典:Enifer(Iiro Rautiainen氏撮影)

PEKILOは、1960年代にフィンランドのKCLと既に廃業しているTampellaが共同開発した真菌バイオプロセスに端を発する。当初はパルプ製造工程で発生する亜硫酸パルプ廃液を湖に放出せずに処理する目的で開発され、1975年から1991年にかけて年間最大8,000トン規模で商業生産されていた。

イギリスのQuornよりも早くに商業化された世界初のマイコプロテインであるが、親会社の経営破綻とパルプ産業の近代化による廃液減少により、生産を維持できなくなり事業は終了。工場跡地はアートギャラリーや酵素工場へと転用され、PEKILOの存在はフィンランド国内ですら忘れられていた。

Eniferによる再興──副産物活用と高機能性を武器に

ペットフード用PEKILO Foovo(佐藤)撮影

Eniferは2020年に設立され、Paecilomyces variotii KCL-24という真菌を用いてPEKILOの復活を進めている。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像はFoovo(佐藤)撮影

 

関連記事

  1. マクドナルドが植物肉バーガー「マックプラント」の試験販売をスウェ…
  2. ポーランド企業NapiFeryn Biotech、菜種油粕由来の…
  3. 培養肉スーパーミート、スイス小売大手のミグロと提携
  4. 二酸化炭素、水素、微生物からタンパク質を作る米NovoNutri…
  5. TurtleTree Scientificが商用規模での細胞培養…
  6. The Every Company、世界初の精密発酵タンパク質を…
  7. 代替脂肪としてのオレオゲルの食品応用における課題と認可の事例|F…
  8. 味と香りでこころを整える!?ムードフード最前線とフードテックの可…

おすすめ記事

Enifer、北欧マイコプロテイン企業で初の新規食品申請

2024年11月12日 当局情報を追記フィンランドのマイコプロテイン企業…

Revo Foodsが3Dプリンターで作製した代替サーモンを初発売、スーパーでも販売開始

オーストリア企業Revo Foodsが3Dプリンターで作製した代替サーモンを発売…

米イート・ジャスト、植物性チキン「Just Meat」を全米のウォルマートで展開|代替卵・細胞性鶏肉に続く第3領域に本格参入

出典:Eat Just細胞性鶏肉「GOOD Meat」や植物性卵「JUST Egg」を展開する米…

米New Cultureが精密発酵カゼインのスケールアップに成功、1回のプロセスでピザ25,000枚分のチーズを生産可能に

精密発酵によるカゼインタンパク質を開発する米New Cultureは今月、1回あ…

イート・ジャストの代替卵JUST Eggが欧州の安全性承認を取得

米イート・ジャストの代替卵JUST Egg(ジャスト・エッグ)の主要成分が、欧州…

分子農業スタートアップMiruku創業者に聞く「ベニバナによる乳製品生産の再構築」

植物を「ミニ工場」として特定成分を作る分子農業が注目されている。代替タン…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP