IoTに対応したコンタクトレスなデリバリーロッカーを開発するMinnow(ミノー)がSKS2020のスタートアップ部門で優勝した。
ミノーが提供するのはコンタクトレスなフードデリバリーロッカーMinnow pod。
これまでのデリバリーで避けられなかった人と人との接触を一切排除するロッカーだ。
注文した商品がMinnow podに届く流れは次のとおり。
①ユーザーはMinnowにログイン
②決められた時間までに注文する
③レストランがMinnowの注文をまとめて準備する
④商品がまとめてMinnow Podまで配達される
④注文者はスマートフォンを使ってタッチレスでロッカーを開けて、商品を受け取る
アメリカのポートランドを皮切りに、東京日比谷のオフィス街でもランチ用にMinnow podが導入されている。
フードデリバリーで真っ先に思い浮かべるウーバーイーツとの大きな違いは、好きなときに注文するのではなく、締切時間までに注文することだろう。これによる感染防止効果は高い。
というのも、レストランにとっては、複数のデリバリースタッフが次々にやってきて対応する必要がないため、感染リスクを減らせるからだ。
また、朝のうちに注文を集約できるので、準備がしやすいほか、店内の客によりリソースを使える。
オフィスで働く人のメリットとしては、会議など席を外せないタイミングでも安心して待つことができることだろう。商品が届いた後は、自分の都合の良いタイミングでPodに受け取りに行けばよい。弁当を買うために移動する必要がないため、ランチの時間を有効活用できるメリットもある。
ポートランドの例では、デリバリー費用はわずか1ドルで、他社のデリバリーサービスでかるような手数料はない。
デメリットもある。
メニューは日替わりなので、選べるラインアップが少ないこと
朝のうちに注文するため、予定変更に対応できないこと
ロッカーは20個のため、人の多いオフィスでは使えないこと
それでも、新型コロナで高まるデリバリーの需要を考えると、現在はまだ多少の不便があったとしても、感染リスクを通常のデリバリーよりも下げられるメリットは大きい。
実際にMinnowユーザーの86%がコンタクトレスな受け取りを重視している。
Minnow podのボックスは全部で20個。設置場所はオフィス、レストラン、カフェ、ゴーストキッチンなど。
Minnowは2017年に設立された。現在はシアトルを拠点としており、これまでに340万ドル(約3億5千万円)を調達している。
参考記事
Minnow’s Contactless Delivery Pods Win the SKS 2020 Startup Showcase Award
オフィスで弁当を受け取れるフードロッカー「Minnow Pod」