代替プロテイン

中国発の植物代替肉スタートアップHero Proteinが登場!9月にプレシードをクローズ

 

このニュースのポイント

 

●中国上海発の植物性代替肉企業Hero Proteinが登場

●9月にプレシードをクローズ

●ビヨンド、インポッシブルなどの元研究開発管理職がチームに参画

 

 

植物性代替肉に取り組む中国スタートアップが続々と登場している。

その1つが上海発のHero Proteinだ。

Hero Proteinは2020年初頭に設立されたスタートアップ。取り扱う製品は、牛、鶏、魚の代替食。現在ホームページには、代替チキン、代替牛ひき肉、代替牛肉ハンバーグが掲載されている。

9月にはプレシードラウンドをクローズした。ラウンドには、アーリーステージの中国企業に出資するLever China Alternative Protein Fund(以下、Lever Chinaと略)が参加した。

このラウンドでLever Chinaは、Hero Proteinのほかに、中国の代替肉企業4社HaoFoodNew SingularityLIKE FoodsAvant Meats)に出資している(後述)。

Hero Proteinの現在の製品は、植物性のチキン、牛ひき肉、ハンバーグ。

出典:Hero Protein

注目したいのが、Hero Proteinの製品開発には、ビヨンドミート、インポッシブルフーズなど植物性代替食企業の元研究開発管理職がメンバーとして参画していることだ。

製品はGMOフリーで、抗生物質、コレステロールを含まない。大豆、えんどう豆、小麦、ココナッツオイル、大豆油、キノコ抽出物、デンプンなどを成分とする。商品は冷凍保存で、使用する前に冷蔵庫で解凍する。

出典:Hero Protein

現在は開発フェーズにあり、販売されていない。

9月のラウンドでLever Chinaがほかに投資したスタートアップ4社の概要は次のとおり。

 

HaoFood:植物ベースの代替チキンを開発。

 

New Singularity(中国名:新奇点):天津を拠点とする代替水産物の開発企業。植物性のエビ、マグロ、ウナギを開発

 

LIKE Foods:中国本土初となる培養肉を開発するスタートアップ。北京を拠点とし、バイオ3Dプリンターを活用

 

Avant Meats:香港発の培養魚を開発するスタートアップ。今月、新作となる培養魚の切り身を発表したばかり。

 

乱立する中国発の代替肉スタートアップ

上記で挙げた企業のほかに、中国にはHey MaetZhenmeatStarfieldなどの植物性代替肉企業がいる。

まず注目したいのがHey Maetだ。

新型コロナ発生の最中、2020年4月に設立されたHey Maetの主な製品は、豚ひき肉、牛ひき肉、ソーセージ、ミートボール、チキンナゲットなど。

創業者のChichi Hongは、年末までにオフラインでの販路拡大をしたい考え。国内のレストラン1000店舗へ展開を目指している。Hey Maetへの出資者には、世界のえんどう豆タンパク質の生産で4割を誇るShuangta Food(双塔食品)がいる。Shuangta Foodはビヨンドミートのサプライヤーでもある。

北京発のZhenmeatは、植物性のザリガニと豚ひれ肉を開発している。ザリガニは中国のレストランで提供される予定。豚ひれ肉は四川のチェーン店に特化して発売される予定だという。

Starfieldは深圳発のスタートアップで、これまでの総調達額は1010万ドルと資金調達額では中国最大を誇る企業だ。今月には、中国のKFCライバルDicosが中国本土2500を超える店舗でチキンバーガーメニューにStarfieldの代替肉追加を発表したばかり。

中国市場を巡っては、米ビヨンドミートが今月に期間限定で新作・代替豚ひき肉を上海でリリースするなど、海外製の動きも見逃せない。当サイトでも、中国の新進気鋭のスタートアップを随時紹介していく。

 

参考記事

Hero Protein: Shanghai’s New Plant-Based Meat & Seafood Startup Attracting China-Focused Investors

Beyond Meat 早期投资者宣布对国内 5 家前沿植物基和细胞培养初创公司进行投资

 

関連記事

 

アイキャッチ画像の出典:Hero Protein

 

関連記事

  1. 精密発酵でラクトフェリンを開発する米De Novo Foodla…
  2. スペインNovameatが3Dプリンター製培養肉の試作品を発表
  3. MycorenaとRevo Foodsが3Dプリント用マイコプロ…
  4. 培養肉企業モサミートが約66億円を調達、新たに食肉メーカーからの…
  5. モサミートが培養肉の工業生産に向けて生産施設を拡大
  6. トマトで代替マグロを開発するスペイン企業Mimic Seafoo…
  7. 米New Cultureが精密発酵カゼインによるモッツァレラ試食…
  8. 精密発酵スタートアップが欧州の「不透明な」規制枠組みの改善に向け…

おすすめ記事

家庭用調理ロボットのNymbleが予約注文を受付中

家庭用調理ロボットを開発するインド企業Nymbleが、予約注文を受け付けている。…

微生物で世界に挑戦|合成生物学の世界大会iGEM参加のため、東大チームが1000万円の寄付募集を目指す

本来持っていない機能を生物に加え、新たな機能を持つ生物を作り出す合成生物学は現在…

二酸化炭素、水素、微生物からタンパク質を作る米NovoNutrientsが約5.1億円を調達

工業的に排出された二酸化炭素、水素、微生物を活用して代替タンパク質を開発するNo…

フードロス削減に取り組むオランダ企業OneThirdが約1億9000万円を調達

フードロス削減に取り組むオランダ企業OneThirdが150万ユーロ(約1億90…

培養肉開発用の成長因子を低コストで量産するCore Biogenesisが約3.2億円を調達

フランスのCore Biogenesisが2020年11月にシードラウンドで26…

卵黄・卵白に分かれた植物ベースの全卵を開発するFloat Foodsが約1億8000万円を調達

シンガポールを拠点とするフードテック企業Float Foodsが、シードラウンド…

精密発酵レポート・予約注文開始のお知らせ

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

精密発酵レポート・予約注文開始のお知らせ

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(12/03 14:09時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/03 23:52時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/03 03:33時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/03 20:05時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/03 12:21時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(12/03 23:07時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP