代替プロテイン

Vowの培養ウズラ肉、シンガポールのレストランがメニューに導入、来月提供へ

 

オーストラリアの培養肉企業Vowが先月、シンガポールで培養肉の販売認可を取得したことは記憶に新しい。

シンガポールの高級レストラン「MORI」で先月、培養ウズラ肉を使用した限定メニューが提供され、Foovoも初めて培養肉料理を食べることができた。この提供は約2週間の期間限定で4月27日に終了した。

次の販売場所としてVowが選定したのは、Tippling Clubというシンガポールレストランだ。培養ニホンウズラ「Forged Parfait」を使用した料理は5月3日から5月14日まで、Tippling Clubのランチ・ディナーのメニューに導入される

Vowの培養ニホンウズラがレストランのメニューに

Tippling Club 出典:Vow

Tippling Clubは、培養ニホンウズラ「Forged Parfait」をメニューに導入したシンガポール・世界初のレストランとなった。

シェフRyan Clift氏との協力により、ランチでは「Classic Menu」と「Premium Menu」の2つのメニューに、ディナーでは「Classic Tasting Menu」に導入される。

出典:Vow

Classic Menu」は100ドルで5コースメニュー、「Premium Menu」と「Classic Tasting Menu」は250ドルで6コースメニューとなる。高価格帯だが、最初に導入された「MORI」(289シンガポールドルだった)と比較すると、ランチコースは手の届きやすい価格帯になっている(予約はこちらから)。

Vowは次の発売も予定しているようだ

これまでの培養肉販売

出典:イート・ジャスト

最初にシンガポールで培養肉を販売したGOOD Meat(イート・ジャストの培養肉部門)は会員レストラン1880で提供後、2021年に培養肉をデリバリーするという革新的な試みを行った。その価格は約15ドルで、シンガポール国内にいれば毎週木曜日にフードパンダのアプリで注文できるというものだった(Foovoも木曜日に合わせて出張したが、不運にもレストランが当日休みで注文できなかった)。

出典:イート・ジャスト

同社はその後も、精肉店に隣接したレストランHuber’s Bistroで毎週木曜日に培養肉料理を提供していたが、現在は一時的に供給を停止している(再開予定はある)。GOOD Meatは今年、シンガポールで生産量を例年の2倍にする計画を明らかにしており、近く、Huber’s Bistroでの提供を再開すると思われる。

アメリカではUpside FoodsGOOD Meatの二社が販売認可を取得しているが、現在は培養肉を提供していない

Tippling Clubは現状、世界で唯一培養肉を提供するレストランであり、どれだけのシンガポール国民にリーチできるかが注目される。

Foovo作成

今年はオランダのMeatableや、すでにイスラエルで認可を取得しているアレフ・ファームズなど、他社もシンガポールでの認可取得が期待されており、シンガポールで同時に数社が培養肉を販売する年になるかもしれない。

 

参考記事

Vow LinkedIn

https://www.forgedbyvow.com/the-feed/forged-by-ryan-clift/

https://www.exploretock.com/tippling-club/

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Vow

 

関連記事

  1. Nature’s Fyndが菌類由来の代替肉を米ホー…
  2. スイス初の培養肉企業Mirai Foodsが初の資金調達、培養肉…
  3. 細胞培養で母乳を開発するTurtleTreeがラクトフェリン粉末…
  4. 培養肉の進展と課題-タフツ大学デイビッド・カプラン教授が都内で講…
  5. バイオミメティクスに着想を得た代替肉企業Plantedが約19億…
  6. 【現地レポ】シンガポール・スーパーマーケットでの精密発酵食品の販…
  7. 香港培養肉スタートアップAvant Meatsが約3億2千万円を…
  8. TiNDLE Foodsが米スーパーで代替鶏肉製品を発売、来年に…

おすすめ記事

グリラス、国産食用コオロギを使用したプロテインバー等をコンビニで販売開始

日本の徳島大学発ベンチャー企業であるグリラスが、国産の食用コオロギを使用した自社…

米AQUA Cultured Foodsがギンコバイオワークスと提携、発酵由来シーフードの上市に向けて加速

バイオマス発酵で代替シーフードを開発する米AQUA Cultured Foods…

米Bowlton Kitchensの1時間に300の調理が可能な料理ロボット、在庫管理も自動化

このニュースのポイント●Bowlton Kitc…

Steakholder Foodsが3Dプリンティングによる培養霜降り牛肉を発表

イスラエルの培養肉企業Steakholder Foods(旧称MeaTech)は…

食肉生産者を培養肉生産者に変えるドイツ企業Innocent Meatの「Clean meat as a service」

培養肉はクリーンミート、細胞培養肉とも言われ、動物を殺さずに食肉を生産する新たな…

Meatable、初の試食会開催に続き、培養肉の生産期間短縮を発表

オランダの培養肉企業Meatableは、低コストでスケール可能な独自の分化プロセ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(07/09 15:27時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(07/10 01:26時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(07/10 05:24時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(07/09 21:30時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(07/09 13:30時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(07/10 00:36時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP