代替プロテイン

幅広い植物肉製品を開発するHungry Planetが約27億円を調達

 

植物性の代替肉を開発するHungry PlanetがシリーズAラウンドで2500万ドル(約27億円)を調達した。

Hungry Planetはミズーリ州セントルイスを拠点とするスタートアップ。

同社は大豆をベースに代替肉を開発しているが、特色はその製品範囲の広さにある。

競合他社の多くが牛肉やバーガー用パテに取り組む中、Hungry Planetは鶏肉、豚肉、牛肉のミンチ肉・パテのほかラム肉、七面鳥、カニ、チョリソー、ソーセージ、ミートボール、餃子、グリルチキンなど、さまざまな代替食品を販売している。

出典:Hungry Planet

プレスリリースによると、この数年、国内と海外の外食産業や小売で試験販売を実施し、これまでに400万個を販売した。

試験販売の過程で、遺伝子組換えではないさまざまな植物肉商品に対する大きなニーズを確認したという。

アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで、小売、レストラン、外食産業などを通じて販売されており、アメリカとシンガポールでは現在、小売展開を拡大している。

Hungry Planetは今回調達した資金で、国内・海外での小売、外食産業での展開を強化する考え。

Hungry Planetのような代替肉プレーヤーはすでに多数いるが、競合他社より優位な点をあげるとすれば、同社がPost Holdingsとパートナーシップを結んでいることだろう。

出典:Hungry Planet

Hungry Planet は今年1月、ミズーリ州セントルイスに本社を構える加工食品の製造・販売会社Post Holdingsと提携した。

これによりPost Holdingsの外食産業、小売ルートを通じて販売を拡大することが可能となった。

Post Holdingsにとって代替食品に取り組む企業との提携はHungry Planetが2社目となる。

2020年5月には、Post Holdingsの外食部門Michael Foodsがイート・ジャストの代替卵JUST Eggの製造と販売で同社と提携している。

GFIによると、アメリカでは2020年の植物性食品の小売売上は70億ドルとなった。

下記グラフのとおり、アメリカの植物肉市場はこの1年で約1.5倍に成長している。

出典:GFI

さらに、2020年に植物性代替食品に集まった投資額は21億ドルとなり、過去最高を記録したほか、前年の調達額の3倍となっている。

この勢いは今年も続いており、植物性代替食品を開発する企業では、代替チーズを作るGathered Foodsが2630万ドル、3Dプリンターでステーキ肉を開発するRedefine Meatが2900万ドルを調達している。

Hungry Planetは従来の肉の食感と味に匹敵する代替肉を植物原料で作り、すべての人に届けることを理念にTodd Boyman氏、Jody Boyman 氏兄妹が2014年に設立した。

今回のラウンドはPost Holdingsが主導し、シンガポールの投資会社TRIRECが参加した。

これまでの調達総額は3060万ドル(約33億円)となる。

 

参考記事

Plant-Based Meat Maker Hungry Planet Raises $25M

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Hungry Planet

 

関連記事

  1. ケーキも作れる代替卵のスタートアップZero Eggが約5億2千…
  2. 【2021年10月】代替シーフードの投資動向/大手、スタートアッ…
  3. 微生物発酵で飲食用のアニマルフリーなコラーゲンを開発する米Gel…
  4. Motif FoodWorks、分子農業でヘムを開発するためパー…
  5. 味の素、CO2由来のソレイン使用の”第2弾”商品をシンガポールで…
  6. BlueNaluがアジアへの培養魚販売に向けて三菱商事、タイ・ユ…
  7. マクドナルドが植物肉バーガー「マックプラント」の試験販売をスウェ…
  8. オーストラリアのVow、南半球最大の培養肉工場をオープン

おすすめ記事

青果物の鮮度を延ばす“未来の冷蔵庫”Tomorrow Fridge|2つのアプローチでフードロスを削減

シアトルを拠点とするスタートアップTomorrowは、フードロスを削減する従来と…

米スーパー大手クローガーがドローンによる食料品配達を正式に実施

アメリカのスーパーマーケット大手クローガーは6月に、ドローンを使った食料品配達を…

微細藻類を活用するカナダのProfillet、ホールカットの植物性ナマズをFuture Food-Techで初披露

微細藻類を活用して植物性シーフードを開発するProfilletが、サンフランシス…

米Nepra Foods、製パン用の代替卵白粉末の商用生産を開始

コロラドを拠点とするNepra Foodsは、製パン卸売業者向けの独自の代替卵白…

精密発酵でカカオバターを開発する米Seminal Biosciences

カカオ豆を使用せずカカオバターを開発する新たな企業が登場した。カリフォルニア州サ…

投資は減速、規制は動く―GFIレポートで読む2024年の培養肉業界と日本市場の胎動

シンガポールの小売店で昨年販売された培養肉「GOOD Meat 3」(Foovo佐藤撮影/2024年…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/20 16:15時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/20 02:56時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/20 06:25時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/19 22:16時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/20 14:17時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/20 01:34時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP