代替プロテイン

アメリカのマクドナルドがマックプラントを導入!11月から8店舗で試験導入

 

マクドナルドは来月よりアメリカで、植物性のマックプラントの試験導入を開始する。

マックプラントは代替肉企業ビヨンドミートと共同開発したもので、これまでスウェーデン、デンマーク、オランダ、オーストリア、先月にはイギリスにも導入されている。

2020年11月にマックプラントが発表されてから、アメリカでの導入がいつになるのか注目されていたが、来月3日よりアメリカのマクドナルド8箇所で期間限定で販売される。

米マクドナルドがマックプラントをついに導入

出典:マクドナルド

プレスリリースによると、アメリカで販売されるマックプラントは完全なビーガン対応ではない。パテはビヨンドミートとの共同開発によるもので、エンドウ豆、米、ジャガイモなど植物成分から作られるが、マヨネーズ、チーズなどは動物性成分を使用している。また、他のパテと同じグリルで調理される。

これに対し、イギリスで販売されるマックプラントは100%ビーガンな仕様で、チーズ、マヨネーズも植物性を使用。使用するグリルも使い分けている。イギリスでは先月にまず10店舗に導入、年末までに250店舗に拡大し、来年にはイギリス、アイルランド全国に展開する。

今回の発表で、試験販売後にアメリカで他のエリアにも展開を拡大する意図があるのか、いつ全国展開されるのかについては言及されていない。

マックプラントが販売される8箇所は、テキサス州のアーヴィング、キャロルトン、アイオワ州シーダーフォールズ、ルイジアナ州のジェニングス、レイクチャールズ、カリフォルニア州のエルセグンド、マンハッタン・ビーチとなる。

マックプラント導入によるキッチンへの影響を把握する

出典:マクドナルド

マクドナルドは今年2月にビヨンドミートと3年にわたるパートナーシップを締結した。2社は鶏肉、豚肉、卵などほかの代替製品でも植物ベースのメニューを共同開発するとしており、マックプラントに続き、今後は新商品を共同開発する可能性がある。

アメリカにおけるマクドナルドのプラントベースへの取り組みを振り返ると、今回の期間限定の提供で同社は、植物肉導入による既存業務への影響、消費者の反応を把握しようとしていると思われる

プレスリリースの中で、「この特別なテストによって、プラントベースパテを使ったバーガーを提供することが、当社レストランのキッチンにどんな影響を及ぼすか把握できます」とコメントしている。

イギリスの全面的な導入に対し、アメリカのマクドナルドは植物肉の導入にはまだ慎重な姿勢を見せているといえる。

マクドナルドは2019年9月にカナダでビヨンドバーガーの試験販売。6ヵ月にわたる試験販売後、完全導入には至らなかった。

一方、競合のバーガーキングは2019年8月にアメリカ全土で、インポッシブルフーズの代替肉を導入。現在では日本を含め、世界的に地域毎にサプライヤーを使い分けて植物肉バーガーを販売しており、プラントベース移行への積極性、導入規模ではバーガーキングがマクドナルドに先行している。

 

参考記事

McDonald’s To Test McPlant Burger Made By Beyond Meat At 8 US Locations

McPlant™ Operations Test at Eight U.S. Restaurants

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:マクドナルド

 

関連記事

  1. 【現地レポ】Perfect Dayの精密発酵乳タンパク質を使用し…
  2. ジャガイモで乳タンパク質を開発|イスラエルのFinally Fo…
  3. 【現地レポ】ソーラーフーズ、ソレインを商用生産する工場を稼働/ソ…
  4. Fooditiveが精密発酵による代替ハチミツ開発を発表
  5. フィンランド発、Hailiaの挑戦:魚の副産物から人間用のスマー…
  6. Gelatex、年間300トンの培養肉生産を可能とする足場生産の…
  7. 代替卵のイート・ジャストがアフリカ市場へ進出
  8. 米培養肉Upside Foods、培養肉用のアニマルフリーな増殖…

おすすめ記事

味の素、おいしい減塩に向けた「電気調味料」技術を開発

味の素は今月、皮膚を通じた微弱な電気刺激で味覚をコントロールする「電気調味料」技…

イギリス政府、代替タンパク質センターNAPICに約28億円を投資|植物性、培養肉、藻類、昆虫まで多様なタンパク質を支援

イギリス政府は先月、植物性タンパク質、培養肉、藻類、昆虫、発酵食品など代替タンパ…

香港培養肉スタートアップAvant Meatsが約3億2千万円を資金調達、2021年の市販化を目指す

このニュースのポイント 香港培養肉企業Avan…

培養肉企業メンフィス・ミーツが社名をUPSIDE Foodsに変更、年内に培養鶏肉の販売を目指す

世界で最初に培養肉バーガーを発表し、話題を呼んだオランダ企業モサミートとあわせて…

イネで乳タンパク質を開発する日本発のKinish、1.2億円のシード資金を調達

植物分子農業を活用し乳タンパク質を開発するKinishが、シードラウンドで1億2…

会員権をNFTにした世界初のレストラン「Flyfish Club」、2023年ニューヨークにオープン

VCRグループが先月、世界初のNFTレストラン「Flyfish Club」を来年…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(02/21 14:43時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(02/22 00:24時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(02/22 04:19時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(02/21 20:41時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(02/21 12:47時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(02/21 23:38時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP