代替プロテイン

スイスの小売大手ミグロスがビーガンゆで卵を発売

 

スイスの小売大手ミグロスが植物性のゆで卵の発売を発表した。ミグロスの子会社ELSAによってスイスで製造されるビーガンゆで卵は今月よりスイスの小売で販売される。

ビーガンゆで卵は「The Boiled」という名称で、ミグロスのプラントベースブランド「V-Love」の1つとして販売される。主原料は大豆で、14の素材を使用している。

ミグロスの複数店舗で今月より販売され、1パック4個入りで4.4スイスフラン(約548円)となる。ミグロスで販売される動物性卵は6個入り2.95フラン(約367円)で、「The Boiled」は約2倍高い価格となる。

出典:ミグロス

「The Boiled」を実際に食べた人は、「驚くほど本物と似ているが、(白身は)タンパク質の硬さが異なり、やや噛み応えに欠ける。黄身の部分は小麦粉のような柔らかさ、粘り気があり、紛らわしいほど似ている」とコメントしている。

ミグロスは昨年プラントベースブランド「V-Love」を展開、植物ベースのひき肉、ナゲット、カルパッチョから世界初となるひよこ豆ベースのヨーグルトまで幅広く展開している。

最近では植物性代替食品だけでなく、ジボダン、ビューラーと共同でチューリッヒに培養肉工場の建設を発表するなど、細胞農業製品の参入も進めている。

出典:ミグロス

今回発表したビーガンゆで卵について、ミグロスは「世界初」だとコメントしているが、シンガポールのOsomeFoodがマイクプロテインを使ったビーガンゆで卵をミグロスに先立ち発売している。

GFIが発表したアメリカ市場のデータによると、植物性代替卵の市場シェアはまだ小さいが急速に伸びており、2019年から2020年にかけて売上が約2.7倍に伸びた。

代替卵の代表格とされるアメリカのイート・ジャストが開発した代替卵JUST Eggは、今年上半期までの時点でアメリカの2万箇所を超える小売で販売されている。同社は先日、ヨーロッパにおける代替卵製品の販売許可を欧州食品安全機関(EFSA)より取得、来年半ばよりヨーロッパの複数国でJUST Eggの販売を開始する。

参考記事

Migros Launches Plant-Based Hard-Boiled Egg. Watch This Video To See How It’s Made

Switzerland’s Largest Retail Company Migros Launches Plant-Based Boiled Egg

Die Migros präsentiert das erste Ei auf Pflanzenbasis – wir haben es probiert

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:ミグロス

 

関連記事

  1. 精密発酵でアニマルフリーなチーズを作るNutropyが約2.8億…
  2. Change Foodsが約13億円を調達、精密発酵の市場投入を…
  3. シンガポールのSophie’s Bionutrien…
  4. 奇跡の植物肉「ミラクルミート」を開発したDAIZに国内外から引き…
  5. 藻類を活用した代替タンパク質製品を開発するAlgama Food…
  6. 幅広い植物肉製品を開発するHungry Planetが約27億円…
  7. 代替肉ブランドTiNDLEを開発するNext Gen Foods…
  8. 代替卵イート・ジャストが欧州進出へ向けて加速、EUの承認待ち

おすすめ記事

コンタクトレスなキオスク型スムージーロボットBlendid、株式投資型クラウドファンディングを開始

新型コロナウイルスの発生で、急速な変化を求められている分野の1つがフードロボット…

Nature’s Fyndの微生物発酵によるタンパク質「Fy」が米国FDAよりGRAS認証を取得

微生物発酵により代替タンパク質を開発するNature’s Fyndが、米国の食品…

連続細胞培養技術を開発する英CellulaREvolutionが約1億4千万円を調達

イギリスを拠点とする培養肉スタートアップCellulaREvolutionが今月…

微生物発酵で脂肪を開発するNourish Ingredientsが初ラウンドで約12億円を調達

オーストラリアのスタートアップ企業Nourish Ingredientsが初のラ…

英Jack & Bryがジャックフルーツを使った代替切り身魚を発表

イギリスを拠点とするスタートアップJack & Bryは今月、ジャックフ…

キッチンカーで植物肉を広めたい|学生団体Planmeetがクラウドファインディングをスタート

植物肉という食の選択肢を広げるために、早稲田大学などの学生による学生団体Plan…

精密発酵レポート予約注文受付中

培養魚企業レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(06/07 18:06時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(06/07 21:46時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(06/08 15:17時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(06/08 08:26時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(06/07 17:47時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP