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杏子の種から植物ミルクを開発するKern Tecが約19億円を調達、廃棄される核果の種をアップサイクル

 

杏子、プラム、チェリーなどの核果の種を活用して、代替ミルク、スプレッドなどを開発するオーストリア企業Kern Tecは今月、シリーズAラウンドで1200万ユーロ(約18億9500万円)を調達した

Kern Tecは欧州では食品廃棄物となる核果の種を、植物性の乳製品、スプレッド、油に使用できるB2B成分に変換している。Kern Tecはこのアプローチにより、「循環経済を直接テーブルにもたらすことで食品業界に革命を起こせる」と考えている

廃棄される果実の種からB2B成分を開発するKern Tec

杏子 イメージ画像

Kern Tecによると、欧州のジュース業界では核果の種は食品廃棄物とされ、毎年50トンの核果の種が未使用のまま廃棄されている

Kern Tecはこれらの未利用資源には大きな可能性があると考えた。同社は厳選した果物加工業者から原材料を入手し、丁寧に洗浄、乾燥を施した後、殻と種を分離し、B2B成分に加工している。

公式サイトによると、Kern Tecがターゲットとする製品は、ミルク、スプレッド、食用オイル、化粧品オイル、化粧品/医薬品用粉末など多岐にわたる。しかし、Green Queenの報道によると、脂肪とタンパク質を含む種を使用することで、乳製品用に「すぐに使用できる成分を提供できる」強みから、当面は代替乳製品に注力する予定だという。

オーストリア全土のスーパーで販売

出典:Kern Tec/Wunderkern

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アイキャッチ画像の出典:Kern Tec

 

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