乳幼児・子供向けのクリーンな植物性粉ミルク・離乳食を開発する米Else Nutritionがダノンと複数段階にわたり協業する合意に達した。二社は先月、商業条件の確定を条件として多段階にわたる提携を規定した基本合意書 (letter of intent:LOI)を締結した。
提携の第一段階では、Else Nutritionとダノンはライセンス契約を締結し、臨床でのエビデンスがあるElse Nutritionの植物性かつ大豆フリー製品をダノンのポートフォリオに使用し、ダノンがこれを製造、販売、商品化する。二社はさらに、製品の商品化以外の機会についても交渉する予定だという。
二社は2024年第1四半期末までに交渉を終え、最終的な合意を締結する予定となる。
ダノンは昨今、精密発酵乳タンパク質を開発するImagindairy、細胞培養により母乳タンパク質を開発するWilkへの出資など、持続可能でアニマルフリーなオプションの模索を始めている。Else Nutritionとの協業を通じ、今後はアレルギーに対応した新しい選択肢の提供を図っていくと予想される。
牛乳・大豆アレルギーを起こさないElse Nutritionの粉ミルク
Else Nutritionは他の粉ミルクでは満たすことができない、乳製品や高度に加工された乳児用栄養食品に代わる健康的な代替品に対するニーズから2018年にイスラエルで設立された。現在はアメリカに拠点を置いている。
当時、乳幼児用栄養業界で働いていたHamutal Yitzhak氏(CEO)、Uriel Kesler氏、Michael Azar氏の共同創業者3名は、自身の子供を含め、多くの乳幼児がアレルギーや不耐症に苦しんでいる現実を知る。特にKesler氏の孫が乳製品・大豆にアレルギーを持っていたことから、乳製品・大豆を含まない粉ミルクの開発に着手した。
設立から5年を経て、アーモンドバター、そば粉、タピオカマルトデキストリンを使用したElse Nutritionの乳児、幼児用製品、子供用のプロテインシェイク製品はオンラインで販売されている。いずれもグルテンフリーで、ビタミンDは藻類由来のビーガンなものを使用している。子供向けプロテインシェイクには、製品45g中にタンパク質が5g、カルシウムが280mg含まれている。
カナダに続き、先月にはイギリスに進出
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アイキャッチ画像の出典:Else Nutrition