Foovo Deep

米Helaina、約65億円の調達で精密発酵ヒトラクトフェリンの商用化を加速

 

精密発酵でラクトフェリンを開発する米Helainaは今月、シリーズBラウンドで4500万ドル(約65億円)を調達したと発表した

Foovoの認識では、精密発酵でラクトフェリンを開発する企業でシリーズBラウンドに進んだのはHelainaが初

今回の資金調達は2021年11月のシリーズAに続くもので、Avidity Partnersが主導し、Spark CapitalSiam CapitaRelish WorksPrimary Venture PartnersIngeborg InvestmentsHeron Rock Fundなどが参加した。

Helainaの調達総額は8,300万ドル(約120億円)となり、ヒトラクトフェリン「effera」の商用化を加速させる。

米Helaina、ヒトラクトフェリンの商用化を加速

出典:Helaina

2019年にLaura Katz氏が設立したHelainaは、多くの精密発酵企業がホエイ、カゼインの乳タンパク質に取り組む中、免疫機能の強化・栄養改善に役立つラクトフェリンの開発に取り組んできた。

Helainaは人の母乳に含まれるヒトラクトフェリンを開発する数少ない企業であり、まもなくKroma WellnessThe FeedLevelle NutritionHealthgevityを通じて、「effera」を使用した消費者向け製品が販売されるという。また、三菱商事の関連会社であるMitsubishi International Food Ingredients(米国三菱商事機能性食品素材販売会社)を通じた販売も行われる。

Helainaは機能性食品ドリンクサプリメントだけでなく、将来的には乳児用調製粉乳メーカーと提携し、乳児用粉ミルクの発売も目指している。

ラクトフェリンの開発ではTurtle Treeが昨年GRAS自己認証の取得を発表し、最新の発表では、2025年第1四半期に成人向けのドリンク・プロテインパウダー製品として上市を予定している。

Green queenの報道によると、「effera」は「次の四半期に」アメリカで市場投入される見込みとなる。Helainaは精密発酵技術を使用しているため、販売にはGRAS自己認証が必要になる。同社は現在の状況については公表していないが、すでに確認済みか、まもなくGRAS自己認証の確認を完了する段階にあると思われる。

ヒトラクトフェリン「effera」が持つ優位性

出典:Helaina

Helainaは昨年5月、75,000食分のラクトフェリンを製造したことを発表した。昨年7月にシカゴで開催されたIFT FIRSTのピッチコンテストで、ヒトラクトフェリンを開発していることを発表した

今年1月に発表された論文(査読前)によると、Helainaが工業規模で発現させたKomagataella phaffii由来の「effera」のアミノ酸配列は、天然のヒトラクトフェリンと同一であると確認された

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Helaina

 

関連記事

  1. 菌糸体由来肉のMeati Foodsが全米で販売開始、Sprou…
  2. イート・ジャストの培養肉部門GOOD Meatが約110億円を調…
  3. ピーナッツから代替肉を作る中国企業HaoFood、2021年に中…
  4. 米SCiFi Foodsが培養牛肉製品で初のLCAを実施、環境メ…
  5. 歴史ある伊食肉メーカーGruppo Tonazzo、食肉事業から…
  6. EUが精密発酵・藻類由来食品を開発する企業に約78億円の資金提供…
  7. ビーガンチーズを開発するMiyoko’s Creameryが約5…
  8. イート・ジャストの代替卵JUST EggがEU当局の認可を取得

おすすめ記事

イスラエルの培養肉企業Steakholder Foodsが日本で登録商標を取得

イスラエルの培養肉企業Steakholder Foods(旧称MeaTech)は…

【2024年】マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート発売のお知らせ

2024年7月16日 更新7月12日に発売しました。目次・サンプルページ…

米Força Foods、スイカの種由来の代替ミルクを発売|アイスクリームからスキンケアまで広がるスイカの種・アップサイクル研究事例

アメリカのスタートアップForça Foodsはこれまでにない原料を使用した代替…

菌糸体から代替肉を開発するMushlabsが欧州イノベーション会議から助成金を獲得

菌糸体を使って代替肉を開発するドイツ企業Mushlabsは先月、スタートアップの…

培養肉アレフ・ファームズ、安価でオープンな増殖培地の開発でWACKERと提携

イスラエルの培養肉企業アレフ・ファームズとドイツの化学メーカーWACKERは、培…

精密発酵で乳タンパク質を開発するBon Vivantが約24億円を調達、2025年の米国進出を目指す

画像はイメージ精密発酵で乳タンパク質を開発するフランス企業Bon Vivantが今月、シードラウ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(05/14 15:07時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(05/14 00:58時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(05/14 04:58時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(05/13 21:07時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(05/14 13:12時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(05/14 00:13時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP