イスラエルの培養肉企業アレフ・ファームズ(Aleph Farms)は今月、シンガポールのESCO Asterとの新たな提携に加え、バイオテック企業VBL Therapeuticsからイスラエル、モディインにある同社の製造施設と関連資産を買収したことを発表した。
アレフ・ファームズは主要市場における2つの合意により、商用化に向けた生産能力の増強に近づいたとしている。
シンガポールは2020年12月に世界に先駆けて培養肉を販売した国であり、イスラエルは2022年の代替タンパク質に対する投資額が、アメリカに次いで世界2位となった。
アレフ・ファームズの共同創業者兼CEOのDidier Toubia氏は、「イスラエルとシンガポールを超えて、食料システムにより安全と柔軟性をもたらす取り組みとして、世界中に戦略的資産を追加で構築することを計画しています」と述べている。
イスラエル・シンガポールでの上市を計画
畜産による気候変動や高まる食料需要の対応策として、環境負荷が低く、生産施設で必要量だけを生産できる効率の良い培養肉の開発が国内外で急速に進んでいる。
アレフ・ファームズはプレスリリースで、同社が開発した培養薄切りステーキ肉を最初に発売する国がシンガポールとイスラエルになる予定であることを明らかにした。
アレフ・ファームズはVBL Therapeuticsの資産を買収し、イスラエル、レホボトにあるアレフ・ファームズのパイロット工場から技術を移転することで、地元での生産量を増やすとしている。
VBL TherapeuticsのCEOを務めるDror Harats医学博士は、「当社の最先端施設によって、アレフ・ファームズが価値を解き放ち、効率的に地元での生産量を増やすことができます」と述べている。
ESCO Asterは、シンガポールで培養肉の製造認可を取得した世界で最初かつ唯一の受託製造施設となる。これまでに、米イート・ジャストの子会社GOOD Meat、オランダのモサミート、Meatableなど培養肉の先駆的企業がESCO Asterとの提携を発表している。
これまでに培養肉を販売した唯一の企業はGOOD Meatであり、アレフ・ファームズやモサミートなどが第2の国になろうとしている。
AgFunderの報道によると、アレフ・ファームズの培養肉は、シンガポールで2025年に生産を開始する見込みだという。
イスラエルの培養肉企業
アレフ・ファームズは昨年、イスラエルに65,000平方フィートのパイロット生産施設を開設した。昨年4月には、培養コラーゲンの研究開発に着手したことを発表した。
今年1月には、イスラエルの首席ラビDavid Baruch Lau氏が、同社の培養ステーキ肉がコーシャであると判定したことを発表。これにより、市販化に先立ち、同社の培養肉がコーシャ認証を受ける道が開かれた。
イスラエル発の培養肉企業としては、アメリカに世界最大規模の培養肉工場を建設中のBELIEVER Meats、世界で最初にNasdaq上場を実現したSteakholder Foods、味の素、ミグロスと提携するスーパーミートに加え、新たにMeatafora、PluriNuvaの二社が確認されている。
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アイキャッチ画像の出典:Aleph Farms