Foovo Deep

米Força Foods、スイカの種由来の代替ミルクを発売|アイスクリームからスキンケアまで広がるスイカの種・アップサイクル研究事例

 

アメリカのスタートアップForça Foodsはこれまでにない原料を使用した代替ミルクを開発した。

同社が使用したのはスイカの種。スイカの種由来の植物性ミルクは世界初だという。

アーモンドに優る環境メリットのあるスイカ種子由来ミルク

出典:Força Foods

Força Foodsを創業したGuilherme Maia Silva氏は、カリフォルニア大学デービス校で植物科学を専攻し、食品が環境に与える影響について興味を抱いた

牛乳に代わる環境に優しい代替ミルクとして、アーモンドミルク、オーツミルクが広く販売されているが、代替ミルクの中でも、特にアーモンドミルクは大量の水を必要とされる。例えばカリフォルニア産アーモンド1個の生産には12Lもの水が必要になる

Silva氏は別の選択肢として、栄養価が高く、アーモンドよりもタンパク質含有量が高く、必要な水使用量がアーモンドのわずか1%というスイカの種に着目した

1年以上の開発期間を経て、Força Foodsは今年「Milkish」を発表

スイカの種、エンドウ豆などを使用した「Milkish」は240mLあたりタンパク質2g、カルシウム450mg、脂質4gを含み、50カロリーと低カロリー。参考に、国内で販売されているアーモンドミルク「アーモンド効果」をみてみると、こちらは200mLあたりタンパク質1.1g、カルシウム60mg、脂質3.2gで、80カロリーとなる。

「Milkish」はタンパク質含有量では200mLあたり6.8gの牛乳に及ばないものの、既製品のアーモンドミルクに対しては、競争力のある栄養価を備えている。

出典:Força Foods

Força Foodsは先月、公式サイトで「Milkish」を発売した無糖オリジナル無糖バニラの2製品をオンライン販売している。また、独立系スーパーマーケットSigona’s Farmers Marketにも導入されている

「Milkish」が消費者に受け入れられ、リピートされるにはまず、味の壁を超えなければならない。先日オランダで開催されたカンファレンスでは、代替食品の購買動機として味が特に重要な要素となっていることが議論された。「Milkish」がリピーターを獲得できるか、さらなる小売導入が進むのか、今後の展開が注目される。

Green queenの報道によると、スイカの種に着目したのはForça Foodsが最初の企業ではなかった。

Miyoko’s Creameryはスイカの種やヒマワリ油、オーツ麦を使用した「Pourable Pizza Mozzarella」を開発した。これはピザ用の液状チーズ製品となる。インドのKatharos Foodは2022年、スイカの種を使用したビーガンチーズを発売した(Katharos Foodは現在、Nourish Youの所有となる

アイスクリームからスキンケア製品まで|広がるスイカの種のアップサイクル

イメージ画像

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Força Foods

 

関連記事

  1. スーパーミート、来年アメリカに培養肉工場建設を計画
  2. オランダのFarmless、約7.5億円を調達し農地不要のタンパ…
  3. 中国の植物肉HEROTEINが米培養油脂Mission Barn…
  4. 米Helaina、約65億円の調達で精密発酵ヒトラクトフェリンの…
  5. 培養魚を開発するBlueNaluが史上最大の約62億円を調達、パ…
  6. ADMがAir Proteinと空気タンパク質を使用した代替肉の…
  7. Oatlyがオーツ麦由来のソフトクリームをイギリスで発売
  8. イスラエルのImagindairy、精密発酵乳タンパク質を生産す…

おすすめ記事

1つのカカオ豆から年間1.5トンの培養カカオ──イスラエル企業Kokomodoの挑戦

出典:Kokomodoイスラエル輸出機構(Israel Export Institute)が6日…

RoboBurgerが世界初のハンバーガー全自動販売機の提供を開始

過去にはピザの自販機やサラダボウルの自販機を取り上げてきたが、アメリカの代表的な…

Steakholder Foodsが台湾進出に向け、台湾の工業技術研究院と提携

独自の3Dプリンターで植物由来や細胞由来の代替肉・代替魚を開発するイスラエル企業…

廃棄大麦から代替タンパク質を開発するEverGrain|世界最大の醸造会社の大麦をアップサイクル

世界で1年間に醸造で使用される大麦は900万トンとされる。使用済みの大麦…

世界初|MeliBioがミツバチを使わない「本物のハチミツ」を試食会で発表

ミツバチを使わずに代替ハチミツを開発するMeliBioが、世界初となる代替ハチミ…

フードテック現地レポート会・セミナー動画|2025年1月開催(オランダ)

2025年1月に開催した第16回Foovoセミナーの動画です。使用したセ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

リアルセミナー@東京のお知らせ【2025/6/18】

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(05/29 15:12時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(05/29 01:06時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,940円(05/29 05:05時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
2,156円(05/28 21:13時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,980円(05/29 13:17時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(05/29 00:19時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP