代替プロテイン

Biokraft Foodsが、インドで初の培養肉試食会を開催|2024年の培養肉試食会を振り返る

 

培養肉・培養魚を開発するインドのスタートアップ企業Biokraft Foodsは今月、インド初となる一般向けの試食会を開催した

30名を超える業界関係者が参加した試食会では、同社が2025年に発売を目指す培養ハイブリッド鶏肉が披露された。

Green queenの報道によると、Biokraft Foodsは1kgあたり300-350ルピー(約535円~620円)のプレミアム価格を目標にB2B供給を目指しており、2025年までに生産施設の建設も計画している。

インドで初の培養肉試食会

出典:Biokraft Foods

2023年設立のBiokraft Foodsは、鶏卵から採取した不死化細胞とバイオポリマーベースの足場から成るバイオインクを開発し、3Dバイオプリンタ―を使用して培養肉を開発しているGreen queenの報道によると、足場材には植物成分と藻類由来成分を使用。

同社は今年、ニジマス、スノートラウトの共同開発で、インドの研究機関ICAR-Directorate of Coldwater Fisheries ResearchICAR-冷水漁業研究所;ICAR-DCFR)との協業を発表するなど、培養魚の開発も進めている。

ICAR-DCFRとのプロジェクトでは、ICAR-DCFRが開発した魚細胞株と、Biokraft Foodsのバイオインク、3Dバイオプリンティングの知見を活用する。

インドの新規食品をめぐる動き

2024年、インドでは培養肉を巡る動きが加速している。

今年1月、インドのThe ICAR-Central Marine Fisheries Research Instituteインド農業研究協議会・中央海洋水産研究機構;CMFRI)が、インドのスタートアップ企業Neat Meattと協力し、培養魚を開発する共同研究契約に締結した

春には、インド食品安全基準局 (FSSAI)が、培養肉と培養魚の規制枠組みの構築を検討しており、当局の科学パネルが、培養肉が承認されている他国の規制を評価していることが報じられた

インドのShri Jagat Prakash Nadda保健大臣は9月に開催された食品規制サミット(GFRS 2024)で、培養肉、昆虫タンパク質、植物タンパク質などの新規食品について「魅力的な機会」を提供するものだと述べ、有望な分野だと捉えつつも、「厳格な安全基準」と「柔軟な規制枠組み」を重視する姿勢を示した下記動画6:30箇所)。

培養肉の試食会が多かった2024年

Foovo作成(2024年12月11日時点)

今年は培養肉の試食会が多く開催された。他にもある可能性があるが、2024年に培養肉の試食会を開催した企業は上記の通り。

注目ポイントは、オランダインドで初めて培養肉試食会が開催されたこと、初めて培養うなぎの試食会が開催されたことだ。2025年にはさらに多くの企業が試食会を開催すると予想される。

 

参考記事

India Hosts First Public Tasting for Cultivated Meat in Bid for 2025 Launch

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Biokraft Foods

 

関連記事

  1. イスラエルのPlantishが3Dプリントされた植物性サーモンを…
  2. 香港グリーンマンデーのヴィーガンカフェGreen Commonが…
  3. イギリスのマクドナルドがマックプラントを導入、2022年に全国導…
  4. 3Dプリント肉のSavorEatがアメリカの大学への試験導入でソ…
  5. 英Hoxton Farmsがロンドンに培養脂肪のパイロット工場を…
  6. 廃棄大麦から代替タンパク質を開発するEverGrain|世界最大…
  7. ネスレがFuture Meatと協業して培養肉参入に向けて準備
  8. 培養肉開発用の成長因子を低コストで量産するCore Biogen…

おすすめ記事

スターバックスがパーフェクトデイの代替ミルクを試験導入

スターバックスが、アニマルフリーな乳製品を開発するパーフェクトデイの代替ミルクを…

米Atlantic Fish Co、世界初の培養ブラックシーバスを発表

アメリカの培養シーフード企業Atlantic Fish Coは今月、世界で初めて…

オランダの研究チーム、バナナの2大病害に抵抗性を持つ新品種「Yelloway One」を開発

オランダ、ワーゲニンゲンを拠点とする作物育種企業KeyGeneが主導する研究チー…

ユニリーバ、代替肉ブランドThe Vegetarian Butcherを売却へ|背景に見える“事業の選別”

Foovo(佐藤)撮影 オランダにて 2024年10月食品・日用品大手のユニリーバは20日、傘下…

培養羊肉のMagic Valleyがパイロット施設へ拡張、年産150トンへ生産能力を拡大

オーストラリアの培養肉企業Magic Valleyは、CoLabsの最先端のパイ…

トマトで代替マグロを開発するスペイン企業Mimic Seafoodとは

スペインのフードテック企業Mimic Seafoodはユニークな原料を使って代替…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(05/08 15:05時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(05/09 00:56時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(05/09 04:56時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(05/08 21:05時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(05/08 13:11時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(05/09 00:11時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP