代替プロテイン

インドEvo Foodsが代替卵を年内に販売開始、2021年4月に米国進出へ

代替卵市場の競争が激しくなりそうだ。

インド発の代替卵スタートアップEvo Foodsは今年、植物ベースの代替卵(植物卵)の販売を年内に開始することを発表した。オンラインショップやレストランを通じて、全インドで販売する。

次のターゲットは米国市場で、2021年4月までに米国進出を考えている。

Evo Foodsは2019年に設立されたフードテックのスタートアップ。アジア初の代替卵メーカーだ。

インド・ムンバイを拠点とする同社は、レンズ豆から抽出した植物性プロテインを使って100%植物由来の液卵を開発している。

出典:Evo Foods

同社の代替卵は、本物の卵に対抗できる価格帯で販売される予定。抗生物質を使用せず、コレステロール・動物性食品を一切含まない。

自社のオンラインストアで販売するほか、ムンバイ、デリー、ベンガルールのレストランと提携して販売する予定。

最初の海外進出は米国に狙いを定めており、2021年4月までの進出を目指す。ニューヨーク市のレストランとパイロット・テスト実施について交渉中だという。

Evo Foodsの代替卵は、現在は冷蔵が必要で、賞味期限は6ヶ月。今後はさらに開発をつづけ、冷蔵庫を使うための電気にアクセスできないアジアの発展途上国における問題を解決するため、常温保存可能にしたいと考えている。

プレシードで約3500万円を調達

同社は今年8月末のプレシードで、エンジェル投資家でありWild Earthの共同創業者のRyan Bethencourt(ライアン・ベザンコート)、Shiok Meats創業者のSandhya Sriram、ヴィーガン投資信託のVegInvest、Big Idea Venturesから資金を調達している。調達総額は33万5000ドル(約3500万円)。

出典:Evo Foods

Ryan BethencourtはシンガポールのShiok Meatsに出資しているほか、AngeliList初のローリングファンドとなるサステイナブル・フード・ベンチャー立ち上げを発表したばかり。

次々に登場する代替卵プレーヤー

注目を集めるEvo Foodsだが、グローバル展開を狙うのはEvo Foodsだけではない。

競合となるイート・ジャストは先月、全米での販売網拡大を発表。すでに中国市場へも進出している。中国ECサイトでの販売を展開するほか、今月には上海に料理スタジオを開設するなど、着実に販売網を広げている。

同じく代替卵のイスラエルのスタートアップZero Eggは米国進出を進めている。

グローバル展開はまだ不明だが、フランスのLes Merveilloeufsは卵黄と卵白を再現できるという、これまでの液卵とは異なる代替卵を開発している。

 

参考記事

India’s Evo Foods To Debut Plant-Based Liquid Egg This Year, Plans U.S. Expansion

Israeli-startup-Zero-Egg-enters-US-market-with-b2b-launch-of-plant-based-egg-replacement

Crunchbase

アイキャッチ画像の出典:Evo Foods

 

関連記事

  1. Redefine Meatが70のレストランと新規パートナーシッ…
  2. モサミート、牛脂肪細胞を培養する無血清培地に関する論文を発表
  3. Vivici、欧州企業で初となる精密発酵タンパク質のGRAS自己…
  4. 植物肉企業Plantedが約100億円を調達、植物由来の鶏胸肉を…
  5. シンガポール企業Mycosortia、おからをアップサイクルした…
  6. 「本物のようにほぐれる」ホールカットの代替タラを開発するアイルラ…
  7. 食肉生産者を培養肉生産者に変えるドイツ企業Innocent Me…
  8. EFISHient Proteinが目指す持続可能な魚生産:培養…

おすすめ記事

アイルランド企業Evoccoは食料品レシートから気候変動への影響を可視化するアプリを開発

気候変動に対する問題意識はあっても、普段の生活で自分の行動が気候変動にどのような…

アニマルフリーなチーズを作るChange Foodsが約2.3憶円のシード資金を調達

精密発酵でアニマルフリーなチーズを開発するChange Foodsが、シードラウ…

スペインの食品メーカーGrupo Palacios、精密発酵卵タンパク質を使用したオムレツ開発でThe EVERY Companyと提携

世界で初めて精密発酵による卵白タンパク質の販売を実現した米The EVERY C…

培養肉の進展と課題-タフツ大学デイビッド・カプラン教授が都内で講演【セミナーレポ】

国際細胞農業カンファレンス(第13回培養食料研究会)が10日、都内で開催された。…

アメリカミズアブ由来のタンパク質・油脂を開発するVolare、今年大型工場の建設を開始

フィンランドのスタートアップ企業Volareはアメリカミズアブ(BSF)を活用し…

Better Juiceの砂糖削減技術を使用したフルーツジュースが今年市販化へ

フルーツジュースの砂糖を減らす技術を開発するBetter Juice(ベタージュ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(03/28 14:53時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(03/29 00:40時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(03/28 04:34時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(03/28 20:51時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(03/28 13:00時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(03/28 23:53時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP