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細胞性マグロを開発する米BlueNaluが約17億円を調達ー米国・高級外食からの商用化戦略

出典:BlueNalu

細胞培養により細胞性クロマグロを開発する米BlueNaluは先月29日、約1,100万ドル(約17億円)を調達したことを発表した。コンバーティブル・ノートおよび優先株による調達で、Agronomics、Siddhi Capital、Lewis & Clark AgriFoodが主導し、約40の既存投資家が参加した。

BlueNaluは今回の資金で、細胞性クロマグロの商用化を進める。クランチベースによるとBlueNaluの調達総額は1億3230万ドル(約207億円)となった。

同社創業者兼CEO(最高経営責任者)のLou Cooperhouse氏は、「まずはアメリカの高級価格帯の外食事業者向けに、生産および流通体制の拡充を進めていきます」とプレスリリースで述べた。

細胞性サーモンに続き、細胞性マグロの解禁なるか

出典:BlueNalu

細胞性シーフードは、世界的な水産物需要の増加や資源の枯渇リスクに対応する持続可能な選択肢として期待されている。2025年5月にはアメリカで細胞性サーモンが解禁され、Foovoの調査では、米Wildtypeは同月末から現在まで、4軒のレストランでの提供を継続している(下記画像)。

出典:Wildtype

法規制で畜肉の細胞性食品よりも進展が遅れていたシーフードでもアメリカ市場が開放された中、BlueNaluもアメリカの高級寿司店や高級レストランをターゲットに、上市を目指している。

細胞性シーフードで現時点で世界で唯一販売が認められているのがサーモンであり、BlueNaluが販売認可を取得すれば、市場に登場する魚種の拡大につながる。

Foovo作成

同社はさらに、シンガポール、サウジアラビア、日本、韓国、イギリス、EUを含む主要地域における規制対応を強化するとともに、今後数年間にわたる国際展開に向けて、料理・流通面のパートナーとの連携を拡大していくとしている。

アメリカ市場、欧州ではイギリス市場からの参入を目指しているが、今回のプレスリリースでは「まずはアメリカから」としつつ、時期的な見通しや工場に関する具体的な言及はしなかった。

昨年には英国食品基準庁(FSA)のサンドボックス・プログラムに、アメリカ企業かつシーフード企業として唯一採択され、同年4月には欧州大手の冷凍食品メーカーNomad Foodsとの戦略的パートナーシップ拡大も発表した。

BlueNaluは、Nomad Foodsのほかにも、住友商事、三菱商事、タイの食品大手タイ・ユニオン、韓国のプルムウォン、スシローを運営するフード&ライフカンパニーズなどと提携しており、グローバル展開に向けた下地作りを進めてきた。

2023年10月には、サウジアラビアおよび世界での細胞性魚肉の商用化、販売、流通の促進を目的とし、サウジアラビアの地域開発であるNEOMと戦略的パートナーシップを締結した。

カリフォルニア州サンディエゴに、38,000平方フィート(約3500㎡)のパイロット施設を有しており、承認後は初期生産をこの工場で行うものとみられる。

スケールアップの焦点は「次世代生産施設」

出典:BlueNalu

2022年のプレスリリースでは、BlueNaluは10万リットルのバイオリアクター8基を有する、年産最大600万ポンド(約2700トン)を見込む14万平方フィート(約13,000㎡)の大型工場で2027年の生産開始を見込んでいた。

今回のプレスリリースでは同工場に関する具体的な言及はないが、「今回の資金調達は、プロセス最適化に加え、商用生産のボリュームに対応できるよう設計された次世代生産施設の製造準備など、スケールアップ活動の推進につながることが期待される」と触れている。

細胞性クロマグロではイスラエルのWanda Fishも、アメリカ市場への参入を目指している。2024年5月には、クロマグロの細胞から作られた筋肉と脂肪に植物成分を組み合わせた試作品を発表した。

日本のマルハニチロはシンガポールのUMAMI Bioworksと細胞性クロマグロの共同開発を進めており、承認取得や試験販売を見据え、昨年5月に協業関係を事業化フェーズへと前進させた。

Green queenの過去の報道によると、BlueNaluはアメリカおよびシンガポールで申請済みであり、認可を待つ状態にある。

イスラエルのBeliever Meats、オランダのMeatableなど、業界を牽引してきたスタートアップの突然の終了が報じられる中、BlueNaluが今回の資金調達に続き、アメリカ市場で上市を実現できるかが注目される。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

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アイキャッチ画像の出典:BlueNalu

 

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