アップサイクル

仏Green Spot Technologies、副産物×発酵で代替カカオ開発|年産1,000トン体制の構築へ

出典:Green Spot Technologies/MILATEA

発酵と食品副産物を活用したさまざまなアップサイクル素材を開発するフランスのGreen Spot Technologiesは昨年11月、代替カカオのスケールアップに向けて500万ユーロ(約9億円)を調達したと発表した。

同社は調達した資金で、フランス・カルパントラにあるパイロット工場の生産能力を年産100トンから1,000トンまでスケールアップする計画だ。同時に、代替カカオブランド「MILATEA」を発表した。

2018年設立のGreen Spot Technologiesは、醸造所から出る使用済み穀物や、トマト、リンゴなど植物性の副産物を活用してさまざまなアップサイクル素材「Ferment’Up」シリーズを開発してきた。

The Earthshot Prizeの報道によれば、プロセスを乾式発酵にすることで、従来の湿式発酵と比較して、水の使用量を60%削減しているという。

同社が手掛けるアップサイクル素材の1つが、代替カカオだ。

立ち上げたブランド「MILATEA」は、そら豆とブドウの副産物を発酵させて得られるもので、100%植物性のカカオフリー素材となる。

同社はリンクトインで、「MILATEA」はパン職人やパティシエ、ショコラティエ向けのの持続可能な発酵素材だと述べた。

公式サイトによると、「MILATEA」はGreen Spot TechnologiesがB2B販売するほか、パートナーを通じて販売が開始される予定となる。Foovoの調査では、現時点で販売開始の発表はまだ確認されていない。チップス、フィリング、粉末と複数の形態があり、焼き菓子からトッピング、仕上げ用などに使用可能だとしている。

先月にはカカオフリーのビーガンスプレッドの限定版をオンライン発売し、完売となった。

アップサイクルによる代替カカオ開発

出典:Mycosortia

アップサイクルによる代替カカオ素材では、シンガポールのMycosortiaが2025年に代替カカオの販売を開始した。同社はおから、使用済み穀物、小麦ふすまなどの農業副産物を活用したカカオフリー素材を開発し、現在、自社サイトでのD2C販売を行っている。2026年には中国や日本など海外市場への進出を目指している。

同じくシンガポールのTerra Oleoは、酵母を活用した精密発酵技術により、農業で生じる廃棄物からココアバターやパーム油の代替となる脂肪成分を開発しており、昨年10月に約4億5,000万円のシード資金を調達した。

また、デンマークのEndless food Coはビール粕をアップサイクルした代替チョコレートを開発。2024年末にデンマークのセブンイレブンへの限定導入が報じられたが、同社によれば現在も、デンマークのセブンイレブン180店舗でクッキー製品向けに導入されている。

国内でも農林水産省のフードテック官民協議会で昨年6月、アップサイクルフードの社会実装を進めるワーキングチーム(WT)が発足し、定義作りや認証制度、事業環境整備に取り組む方針を掲げている。

日本企業ソーイは、コーヒーかすを発酵させた板状スイーツ「COLEHA」など、アップサイクルされたスイーツ素材を開発している。これは代替カカオではないが、副産物のアップサイクル×発酵で菓子用途の素材を成立させた国内事例といえる。

また、不二製油はビール粕由来の代替カカオ開発に関する特許を取得している。

行政主導でアップサイクルの動きが進む中、代替カカオの開発でも、国内発のアップサイクル事例が増えていくことを期待したい。

 

※本記事は、プレスリリースをもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。なお、プレスリリースでは「1,500トンへのスケールアップ」と記載されていますが、同社リンクトインでは「1,000トン」の表記であることから、記事では「1,000トン」としております。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Green Spot Technologies/MILATEA

 

関連記事

  1. 砂糖削減・代替砂糖ソリューションを開発するスタートアップ企業13…
  2. ドイツ企業Kynda、食品副産物を活用した「廃棄物ゼロ」の菌糸体…
  3. 【11/11】細胞性カカオの研究最前線-チョコレート開発から品種…
  4. 精密発酵でココアバターを代替、米C16 Biosciencesが…
  5. エストニアのÄIO、林業廃棄物を活用した代替油脂の生産拡大|10…
  6. オーストリアのFermify、精密発酵カゼインで米国GRAS自己…
  7. 2025年のフードテックを振り返る:国内の細胞性食品が前進、精密…
  8. オランダのRevyve、酵母由来タンパクで卵代替へ—約41億円を…

おすすめ記事

米Superbrewed Food、腸内細菌由来タンパク質SB1の商用生産を開始|Döhlerが製造、米国向け出荷を開始

出典:Superbrewed Food腸内細菌由来タンパク質を開発する米Superbrewed …

「砂糖を再発明する」妥協なき代替砂糖の開発に挑戦するイスラエル企業Resugar

完全に天然由来でありながら、100%砂糖のような代替品を開発するイスラエル企業が…

韓国が培養肉の申請プロセスを明確に:培養肉企業の参入を促進

今回のニュースの音声配信はこちらから▼韓国の…

米Clever Carnivore、0.07ドル/L培地や細胞株開発で培養豚肉の商業化を加速

出典:Clever Carnivore2026年6月25日更新(誤字修正)イリノイ州シカ…

2024年のフードテックを振り返る:小売進出した培養肉、精密発酵の前進、代替カカオに注目

こんにちは。Foovoを運営している佐藤あゆみです。今回は、2024年の…

Hyper-Robotics、「箱」の中でロボットがピザを作る完全自動化レストランをローンチ

イスラエルで完全自律型のロボットレストランを開発するHyper-Robotics…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoセミナー開催のお知らせ

細胞性食品(細胞培養食品)レポート販売開始

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

PAGE TOP