代替プロテイン

ユニリーバのBen & Jerry’s、アニマルフリー製品の主原料をオーツ麦へ切り替え

 

食品・日用品大手のユニリーバは今月、人気の乳製品ブランドであるBen & Jerry’sのアニマルフリー製品すべての主原料をオーツ麦に切り替えることを発表した

この発表は、ユニリーバが昨年、同社の「主力アイスクリームブランド」に精密発酵技術を採用する計画を発表したニュースに続くものとなる。

ユニリーバはまず、Ben & Jerry’sシリーズのなかでクッキーをアイスにミックスした「Cookies on Cookie Dough」製品からオーツ麦への移行を進める。アイスクリームショップでの取り扱いも含め、「Cookies on Cookie Dough」からオーツ麦へ移行し、他のシリーズも順次、切り替えていく予定だ

Vegconomistの報道によると、2024年春までにオーツ麦を使用した製品への切り替えを行うという。

ユニリーバのBen & Jerry’s、乳製品フリー製品の主原料をオーツ麦へ切り替え

出典:Ben & Jerry’s

Ben & Jerry’sは2016年、乳製品フリー製品の導入として、アーモンドを使用したBen & Jerry’sを発売した。2020年にはヒマワリ油を使用したBen & Jerry’sを発売

Food Diveの報道によると、レシピを変更する取り組みは2年前から始まった。

レシピ変更を決めた背景として、Ben & Jerry’sに2016年から所属し、「フレーバーの第一人者」であるCraig Koskiniemi氏は、「市場にある他の製品と比較してみたところ、実際に私たちの製品には改善の余地があることがわかりました。自社のものに満足していないということを知った内的考察から(レシピ変更の取り組みが)始まりました」とFood Diveのインタビューで述べている。

出典:Ben & Jerry’s

研究チームは主要な植物原料として約10種類の選択肢を検討した。

研究チームは各自の知見に基づき、製品の風味に影響を及ぼすココナッツなどは検討の初期段階で除外し、最終的にオーツ麦が、求めていたクリーミーさを最大限に実現できることを見出した。オーツ麦が味に与える影響は最小限であり、これはアーモンドやヒマワリでは不可能だという。

Ben & Jerry’sはプレスリリースで、数年にわたる試験と試食、学習を経て、「オーツ麦ベースという、最高の乳製品フリーアイスクリームのレシピ」を発見したと述べている。

ユニリーバが精密発酵アイスクリームへの参入を言及してからもうすぐ1年になるが、こちらについては新たな動向は確認されていない。

その対象製品は、ユニリーバの「大きなグローバルブランドの1つ」「北米ブランドの1つ」になると報じられていたため、Ben & Jerry’sMagnumなどに使用されるかもしれない。

精密発酵による乳製品開発では、ネスレが昨年、精密発酵ミルクを試験販売するなど多くの大手メーカーが関心を寄せており、一部企業では長期導入が確認されている

 

参考記事

Our Best Non-Dairy Recipe Yet! A Smooth and Decadent NEW Oat-Based Recipe is Coming Soon to Your Freezer!

Unilever’s Ben & Jerry’s relaunches plant-based line with oat recipe

Ben & Jerry’s Announces Major Shift to Oat Based Formula

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Ben & Jerry’s

 

関連記事

  1. EUが精密発酵・藻類由来食品を開発する企業に約78億円の資金提供…
  2. ドイツのBluu Seafoodが欧州で初めて培養魚製品を発表、…
  3. イスラエルのForsea Foodsが世界で初めて培養うなぎの試…
  4. ビヨンドミートが代替鶏肉ビヨンドチキンテンダーを北米で発売
  5. イスラエルのForsea Foodsが培養うなぎを発表|京都にパ…
  6. エストニアのÄIO、林業廃棄物を活用した代替油脂の生産拡大|10…
  7. オーストラリアv2foodが約57億円を資金調達、植物性代替肉で…
  8. 代替エビを開発するNew Wave Foodsが約18億円を調達…

おすすめ記事

培養肉企業MeaTechが約100グラムの3Dプリントされた培養ステーキ肉の生産に成功

イスラエルの培養肉企業MeaTechは今月、バイオ3Dプリンターを用いて104グ…

培養肉のコスト削減を目指すProfuse Technologyが約3.5億円を調達

培養肉の生産コストを削減するソリューションを開発するイスラエルのProfuse …

米IngredientWerksがトウモロコシでウシのミオグロビン生産に成功

アメリカの分子農業スタートアップIngredientWerksは7月、ウシのミオ…

個人から企業まで|貼るだけで果物の鮮度を保持するシールを開発したRyp Labsとは

アメリカ、ワシントン州を拠点とするRyp Labsは、果物の保存期間を最大14日…

米インポッシブル・フーズ、欧州市場進出に向け一歩前進|EU当局がヘムの安全性を暫定的に認める

米インポッシブル・フーズ(Impossible Foods)が開発した代替肉に使…

高級培養肉Orbillion Bioが日本初登壇|Food-Tech Webinar Fall 2021参加レポート

株式会社アドライト社が代替タンパク質の可能性にフォーカスしたセミナー「Food-…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(03/20 14:50時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(03/21 00:35時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(03/21 04:28時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(03/20 20:47時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(03/21 12:58時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(03/20 23:48時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP