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タバコ植物で培養肉のコスト削減を目指すBioBetterが約14億円を調達

 

タバコ植物を活用して培養肉の生産コスト削減を目指すBioBetterがシリーズAラウンドで1000万ドル(約14億円)を調達した。

Jerusalem Venture Partners(JVP)がラウンドを主導し、Milk & Honey Ventures、イスラエル経済産業省傘下のイスラエル・イノベーション庁が参加した。

BioBetterは培養肉生産のボトルネックとされる成長因子のコスト削減を目指し、2015年にイスラエルに設立された。

プレスリリースによると、現在、FGF2などの成長因子は1グラムあたり5万~50万ドルの費用がかかるが、BioBetterの技術により、1グラムあたり1ドルに下げられる可能性があるという。BioBetterは調達した資金で来年にも生産をスケールアップし、2024年までに、タバコ植物を活用した食品グレードの成長因子の商業化を目指す。

出典:BioBetter

BioBetterは、タバコ植物(Nicotiana tabacum)をアニマルフリーなバイオリアクターとして活用し、成長因子を生産するための独自のタンパク質生産プラットフォームを開発した。野外で栽培されたタバコ植物は、インスリン、トランスフェリン、FGF2など、よりコスト競争力のある成長因子が求められる市場に、持続可能で効率的かつ新しいソリューションを提供する。

現在、テスト用に提供しているのは「BioBov FGF2」、「BioBov Transferrin」、「BioBov Insulin」の3製品となる。他4製品は開発中だ。

BioBetterはイスラエルのアッパーガリラヤ地域にあるテルハイ工業団地にパイロット工場の設置を予定している。新しい施設設立により、タバコ植物の処理能力が大幅に向上し、世界中の培養肉生産者からの需要を満たすことができるようになるという。

また、今回調達した資金で成長因子の製品ポートフォリオを拡大する予定だ。

出典:BioBetter

成長因子の生産にタバコ植物を活用する試みは、地元の農家にとっては新たな収入源となる可能性がある。

JVPでディレクターを務めるNisan Zeevi氏は、「細胞農業の拡大に伴い、ガリラヤにあるタバコプランテーションの500エーカーをこの産業を支援するために提供します。過去10年間、喫煙者の減少により多くのタバコ畑が放置され、タバコ農家は経済的な損失に苦しんできました。彼らは、急速に成長する代替タンパク質の分野で新たな目標を見出すことができるでしょう」とコメントしている。

BioBetterのプラットフォームにより、タバコがより良い食料安全保障をもたらす促進剤として重要な復活を遂げようとしている。

 

参考記事

BioBetter Lands USD10M Funding to Relieve Cultivated Meat’s Bottleneck Using Tobacco Plants

 

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アイキャッチ画像の出典:BioBetter

 

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