代替プロテイン

黄身・白身・殻を再現した植物性代替卵を開発するNeggstが約6.9億円を調達

 

ドイツ、ベルリンを拠点とする代替卵スタートアップのNeggstは、シードラウンドで500万ユーロ(約6億9400万円)を調達した。

アーリーステージのフードテック企業に出資するドイツのベンチャーキャピタルGreen Generation Fundが主導した。これはNeggstにとって初の資金調達となり、同社は次の資金調達ラウンドに向けて、投資家と話し合いをしているという。

Neggstは、白身、黄身、殻を持つ植物由来の代替卵を開発している。

イート・ジャストが製造販売する植物性液体卵JUST EggYO-EggFloat Foodsなどの企業が開発した黄身と白身が分かれた代替卵など、代替卵の開発では多様化・差別化が進むが、殻まで再現した企業はNeggstが初だと思われる。

共同創業者のVeronica Garcia-Arteaga氏 出典:Neggst

Neggstは、フラウンホーファー研究所所属のVeronica Garcia-Arteaga氏と、ドイツの室内農場スタートアップINFARMに所属していたPatrick Deufel氏が2021年に設立した。

Neggstは単なる卵の置き換えではなく、改良された代替卵の開発を目標としている。同社の代替卵は栄養、味、外見、機能性で従来の鶏卵と区別できないものだという。

成分のほとんどは植物性で、防腐剤、香料、着色料は使用していない。殻には生分解性バイオプラスチックを使用しているため、鶏卵のように壊れやすいという。

代替卵が消費者に受け入れられるためには、味・食感で納得のいくものでなければならない。Neggstは2年間にわたる集中的な研究開発、高度な技術、複雑なプロセスによってこれを実現した。

約100名を対象とした最初のブラインド試食会では、85%の参加者が鶏卵とNeggstの代替卵どちらを使用したか判断できなかったという。さらにキッシュの場合、参加者全員がNeggstの代替卵を使用したものをより高く評価したという

出典:Neggst

海外メディアによると、卵黄、卵白、殻の開発は完了しているが、殻に充填する技術はまだ業界標準に達していない。代替卵の市場投入は2023年末を予定しているが、それに先立ち、容器に入った液体製品として市場投入を考えているようだ

外食産業とのパイロットプロジェクトは進行しており、将来は小売店での販売も視野に入れている。

 

参考記事

Neggst Raises €5M for Whole Vegan Egg With Shell

Berlin-based Neggst pecks into €5 million for its pioneering plant-based egg

Start-up entwickelt vegane Ei-Alternative, die Hühnerei täuschend ähnlich ist

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Neggst

 

関連記事

  1. 植物性刺身を開発するOcean Hugger Foodsが復活|…
  2. アフリカ発の培養肉企業Mzansi Meat、2022年後半の市…
  3. アレフ・ファームズ、シンガポール・イスラエルでの合意で培養肉の生…
  4. 米イート・ジャスト、新しい培養鶏肉製品で再びシンガポール当局の販…
  5. Nowadaysが約9億円を調達、健康的な植物性チキンナゲットの…
  6. Remilkの精密発酵乳タンパク質がシンガポール当局の認可を取得…
  7. TurtleTreeが精密発酵によるアニマルフリーなラクトフェリ…
  8. イート・ジャストがシンガポールにアジア初の生産拠点を建設、培養肉…

おすすめ記事

おいしい水分補給の実現を目指すCirkulが約32億円を調達

美味しい水分補給の実現を目指すCirkulが、シリーズBラウンドで3000万ドル…

FDA、GOOD Meatの培養鶏肉の安全性を認める Upside Foodsに続き世界で2社目

米イート・ジャストの培養肉部門GOOD Meatは21日、同社の培養鶏肉について…

タイソンが出資するNew Wave Foodsが代替エビをアメリカの飲食店で発売

アメリカのスタートアップ企業New Wave Foodsは、アメリカの飲食店で植…

精密発酵で脂肪を開発するNourish Ingredientsが約39億円を調達

精密発酵で脂肪を開発するオーストラリア企業Nourish Ingredients…

The Every Company、アニマルフリーな卵白タンパク質を使ったスムージーを発売

The Every Companyのアニマルフリーな卵白タンパク質粉末を使ったス…

ダノンとBrightseedが提携を拡大、AIを活用して植物の隠された可能性を追求

世界大手の食品・飲料企業ダノンはバイオテック企業Brightseedとの提携を拡…

精密発酵レポート予約注文受付中

培養魚企業レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(06/08 18:06時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(06/08 21:46時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(06/08 15:17時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(06/08 08:26時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(06/08 17:47時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP