グリーンマンデーが今年後半にもアメリカ市場へ本格参入する。
具体的には、グリーンマンデー傘下のフードテック部門オムニフーズが開発した代替肉製品「オムニポーク」がアメリカに上陸する。
サンフランシスコ、ロサンゼルス、ホノルルなど8箇所でレストランのメニューにオムニポークが導入したのち、今年後半のどこかでアメリカの小売、外食産業で発売する。
グリーンマンデーの「オムニポーク」、ついに米国上陸
グリーンマンデーは香港に拠点を構えるアジアの代表的な代替肉企業。
商品名「オムニポーク」が示すとおり、「豚肉」の代替品に特化して、ひき肉、ランチョンミート、細切り肉などさまざまな商品を開発している。
えんどう豆、大豆、米、シイタケなどを特許技術でブレンドしたオムニポークは、「アジアのプラントベース食品を完全に一変させた」ものだと創業者兼CEOのデイビッド・ヤン(David Yeung)氏は自信を見せる。
グリーンマンデーはこれまでに中国、マカオ、イギリス、日本、シンガポール、タイ、オーストラリアなどに進出している。
今年3月には中国の上海、深圳、広州のマクドナルドに導入に加え、日本市場へ本格参入。4月にはオーストラリアのスーパーにも導入された。
日本では20箇所のレストランで導入されるほか、「こだわりや」や「スーパーまるおか」など小売でも販売されている。
FoodNavigatorの報道によると、今後は中国、香港、タイのイケアでも発売することをコメント。さらに今後数週間のうちに韓国でも発売し、進出済みの中国、香港、台湾、シンガポール、フィリピンで展開をさらに拡大した後、インドネシアに進出するタイムラインを明らかにしている。
このほか、グリーンマンデーのレトルト食品も世界各国で評判がよいことから、代替タンパク質だけでなく、アメリカの食品会社とレトルト食品を開発する可能性にも言及している。
今回アメリカでメニューにオムニポークを導入するレストランは次のとおり。
- ブリズベーン
Chef Reina
- ロサンゼルス
Chifa/RiceBox/Little Fatty/ManEatingPlant/Ramen Hood
- サンフランシスコ
Shizen
- ホノルル
Tane Vegan Izakaya
伸びしろ十分なアメリカの植物肉市場
グリーンマンデーは今年のイギリス参入にあたり、1月に一部レストランと提携してから、3月に小売チャネルを通じてオムニポークを導入するというやり方を採用した。
同社はアメリカ市場への参入でも同じ手法を採用する。
アメリカではプラントベース食品の需要が伸びており、2020年には小売売上が70億ドルを記録。
植物ミルクが小売用ミルクの売上の約15%を占めるのに対し、植物肉のシェアはまだ2.7%。植物肉が植物ミルクと同等のシェアに達すると考えると、植物肉にはまだ140億ドルの市場価値があることになる。
グリーンマンデー傘下のオムニフーズがアメリカ市場へ参入するのも、こうしたまだ「伸びしろ」十分な植物肉市場を狙っていることが背景にあるのは間違いない。
グリーンマンデーは昨年、約73億円という巨額の資金調達に成功している。
今年になってからは、アメリカを拠点とするHungry Planetが約27億円、イスラエル発の3Dプリンター肉を開発するRedefine Meatが約30億円をするなど、競合他社の資金調達も続いており、代替肉市場の競争は一層激化していくことが予想される。
参考記事
OmniFoods Plans to Launch Its Plant-Based OmniPork Products in the U.S. This Year
‘Asian food is international food…’ OmniPork gears up for nationwide US launch of plant-based pork
Filipina Vegan Chef Among First In U.S. To Serve OmniPork Ahead Of Retail Launch
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アイキャッチ画像の出典:グリーンマンデー