Foovo Deep

イスラエルの培養肉Future Meatが世界初の培養肉生産施設をイスラエルに開設

 

イスラエルの培養肉企業Future Meat世界初の産業用培養肉生産施設を開設した。

イスラエル、レホヴォトに開設されたこの施設では、1日に培養肉を500kg生産できる。これは5000個分のハンバーガーに匹敵する。

同社は世界初となる培養肉生産施設の稼働により、培養肉の大量生産に向けて舵を切る。

タイソンフーズから出資を受けるFuture Meatは、細胞を培養して動物を殺すことなく培養肉を生産するイスラエル企業。

2022年にアメリカで培養肉の市販化を目指している

培養ハイブリッド肉で市販化を目指すFuture Meat

出典:Future Meat

Foodnavigatorによると、Future Meatの最初の製品は、培養肉が45-60%、植物性タンパク質が40-55%の培養ハイブリッド肉となる予定。

培養肉と植物肉の比率が公表されたのは今回が初めてとなる。

培養ハイブリッド肉について、創業者のYaakov Nahmias氏は次のようにコメントしている。

「筋肉は細胞と細胞外マトリクスどちらも含みますので、100%細胞培養された製品が商業的に実現可能だと私たちは思いません。

細胞農業によって細胞を生産することはできますが、細胞を収集する前または後に食用足場を加える必要があります。

つまり、これまで主要他社によって議論されてきた製品はすべて、植物ベースの足場と細胞培養肉をブレンドしたものに思えます」(創業者 Yaakov Nahmias氏)

同社は押出技術を使用することで、高価な組織工学的技術に頼ることなく、肉の明確な食感を実現しているという。

肉として重要な風味、香りには、細胞培養した脂肪を使用。また、細胞をサポートするために、わずかな植物ベース成分を使用している。

線維芽細胞で培養肉を開発するメリット

今回発表された生産施設では培養鶏肉、豚肉、ラム肉の生産が可能で、まもなく培養牛肉の生産を開始する

培養肉の生産コスト高の要因である動物由来の血清は使用せず、遺伝子組換え技術も使用しない。

Future Meatによると、同社独自のプラットフォームにより従来の畜産より20倍速いサイクルで生産が可能になる。

出典:Future Meat

Future Meatと他社との大きな違いは、

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Future Meat

 

関連記事

  1. 味の素、CO2由来の微生物タンパク質「ソレイン」使用の新製品をシ…
  2. スーパーミート、来年アメリカに培養肉工場建設を計画
  3. 代替肉のビヨンド・ミートがマクドナルド、ヤム・ブランズとの提携を…
  4. 【世界初】Shiok Meatsが試食会で培養カニ肉料理を発表
  5. 精密発酵で生まれた甘味タンパク質──Oobliのチョコレートを試…
  6. 米ビール大手のモルソン・クアーズが植物性ミルク市場へ進出
  7. 食品製造で発生する廃糖水で菌糸体粉末を作るHyfé Foodsが…
  8. シンガポールの研究チームがウナギ細胞株と植物血清の開発に成功

おすすめ記事

オランダの培養肉企業Meatableが約51億円を調達、来年にシンガポールで販売へ

オランダの培養肉企業Meatableは今月、シリーズBラウンドで3500万ドル(…

Onego Bio、精密発酵卵白タンパク質で米国GRAS認証を取得、米国で2社目|先行企業EVERYとの特許係争も

出典:Onego Bioフィンランドのフードテック企業Onego Bioは今月22日、精密発酵で…

食品ロスに取り組むFlashfoodが約14.7億円を調達、アメリカ食料品店との連携を強化

食品ロスに取り組むアプリを提供しているカナダ企業FlashfoodがシリーズAで…

インドNymbleの料理ロボットJulia(ジュリア)がSKS2020に初登場!

スマートキッチンサミット2020には10社のスタートアップが登場した。そ…

培養肉企業メンフィス・ミーツが社名をUPSIDE Foodsに変更、年内に培養鶏肉の販売を目指す

世界で最初に培養肉バーガーを発表し、話題を呼んだオランダ企業モサミートとあわせて…

日本の培養肉市場に明確なルールを:JACAが提言、情報集約の窓口設置を

培養肉のルール形成に取り組む細胞農業研究機構(JACA)は先月21日、培養肉など…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/27 16:17時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/28 02:58時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/28 06:32時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/27 22:20時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/27 14:19時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/28 01:38時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP