ピザ自販機を開発するアメリカのBasil Streetは、食品・ドリンクの自動販売に特化するPrepangoと提携を発表した。2社の提携により、Basil Streetのピザ自販機がアメリカの国際空港に導入される。
Basil Streetのピザ自販機は約1.8㎡で、ピザを3分で焼き上げる。1枚は10インチ(約25cm)で、価格は1枚12.95~14.95ドル。ピザは新鮮素材を使って作られ、風味と鮮度を保持するために瞬間冷凍されている。
購入者は、ペペローニ、クアトロフォルマッジなど好きなメニューを選び、タッチスクリーンまたはアプリを通じて注文する。注文が入ると内蔵オーブンで焼き上げられる仕組みとなる。
プレスリリースによると、Basil Streetは数週間以内にサンアントニオ国際空港でピザ自販機をリリースする。その後の導入先として、シカゴ・オヘア国際空港、シンシナティ・ノーザンケンタッキー国際空港、インディアナポリス国際空港が候補地に挙げられている。
Basil Streetはこれまで、大学、企業にピザ自販機を設置してきた。アメリカ国内の空港ネットワーク拡大に伴い、より交通量の多い空港への導入を進める。
同社CEOのDeglin Kenealy氏によると、同社のピザ自販機は1年~1年半以内にアメリカの空港200箇所に導入される可能性があるという。
「飛行機の搭乗を待っている時、乗り継ぎの合間、深夜の乗り継ぎ待ちの時、長い列のあめに食べ物の選択が制限されたり、不便に感じたりすることがよくあります。
空港に特化した自動化ソリューションのエキスパートであるPrepangoと提携できることを非常に嬉しく思います。旅行中にどれだけ時間的制約があっても、多くの人が食事するのに役立ちます。
Prepangoのノウハウを通じて、今後1年~1年半で200の空港にピザ自販機導入を拡大できる可能性に感激しています」
(CEO・Deglin Kenealy氏)
Basil Streetは、基地、病院、大学、工場などの交通量の多いエリアに機械を配置することを目指している。同社は昨年から今年にかけてパイロット運用を実施。
パイロット運用を通じて導入先に応じたメニューの使い分けに発見があった。工場など同じメンバーが毎日使用することが想定される場所では、メニューのローテーションや新メニューの追加が重要になるが、空港など不特定多数の人が行きかう場所では、固定化されたメニューでも差し支えないことがわかったという。
アメリカではピザ自販機の流通が特に進んでいる。Basil StreetのほかにもPizzaForno、Piestro、API Techなどがある。
日本で唯一導入されているピザ自販機は広島のPizza Self(ピザセルフ)。イタリアのベネチア職人と共同開発した本場ピザを3分で焼き上げる。現在はまだ広島市の袋町公園に導入されているのみだが、自販機の国産化にも取り組んでおり、導入エリア拡大を目指している。
国内の新型コロナ感染者数減少が今後も続くならば、日本でもPizza Selfなどピザ自販機が空港や企業へ導入されるかもしれない。
ピザ自販機をはじめとする、世界の最先端自販機の事例をまとめた企業向け特化レポート▼
参考記事
Basil Street’s Pizza Robot Takes Flight With New Airport Rollout Deal
Basil Street Using Equity Crowdfunding to Raise $20M for its Pizza Vending Machines
アイキャッチ画像の出典:Basil Street