ニュージーランドの精密発酵企業Daisy Labは今月、シードラウンドを完了した。
昨年末にValues Trustが開始したラウンドには、Icehouse Ventures、Outset Ventures、Paul Davidson氏、Even Capital、Serge van Dam氏、Melanie Vivian氏、Adam Clark氏、Sustainable Food Venturesが参加した。
Daisy Labは調達した資金で、ホエイタンパク質の生産をスケールアップし、カゼインタンパク質の研究を継続していくとしている。
精密発酵は、畜産に頼らずにタンパク質や他の特定成分の生産を可能にする技術で、代替タンパク質における急成長分野とされる。同技術は、食品業界に革命をもたらし、気候変動や食料不安など、地球が直面しているいくつかの主要課題に対するソリューションとなる可能性を秘めている。
2023年上半期にプロトタイプ生産へ
Daisy Labは昨年6月、Westpacとニュージーランド政府が共同運営するWestpac NZ Government Innovation Fundから資金提供を受け、ホエイタンパク質の研究を拡大した。
2022年10月、ホエイタンパク質の3つの発現システムを確立し、1つについてはスケールアップの準備ができていることを発表した。次のステップとして、グラムからキログラムへの拡張を目指しており、2023年半ばまでにプロトタイプ(アイスクリームかヨーグルト)を生産する予定だとしている。
Vegconomistの報道によると、Daisy Labはニュージーランドのアイスクリーム、ヨーグルトメーカーと交渉を行っているという。
精密発酵由来のホエイタンパク質については、これまでにパーフェクトデイ、Remilkが上市を実現しており、Daisy Labもこのリストに加わろうとしている。
カゼインタンパク質を上市した事例はまだ確認されていないが、上記3社のほか、Change Foods、Eden Brew、Fooditive、Imagindairy、New Cultureなどさまざまな企業が開発に着手しており、今後の上市の動向が注目される。
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アイキャッチ画像の出典:Daisy Lab