Foovo Deep

Biftekがシンガポールの培養肉企業へ最初の増殖培地サンプルを出荷

 

培養肉用のアニマルフリーな培地を開発するトルコ企業Biftekは、商用化に向けて前進している。

同社は昨年11月、シンガポールを拠点とする大手培養肉企業へ最初のサンプルを出荷したという。

アニマルフリーな増殖培地を開発するBiftek

出典:Biftek

2018年創業のトルコ、アンカラに本社を構えるBiftekは、培養肉をより手頃なものにするために、アニマルフリーで遺伝子組み換えではない天然の増殖培地を開発している。

増殖培地は、培養肉の量産を実現するための重要な成分だが、初期の培養肉研究で使用されたウシ胎児血清(FBS)は生産コストの80ー90%を占めるなど、生産コスト削減のために代替品の開発が求められてきた。

Biftekの培地は「凍結乾燥されたBiftek増殖培地サプリメント(Lyophilized Biftek Growth Medium Supplement)」と呼ばれ、製品を低温に保持するコールドチェーンを不要とし、海外への輸送に適したものとなっている。また、動物由来血清にあるようなロット間の変動といった品質のばらつきの懸念もない。

Biftekの増殖培地により、細胞農業製品に関連するコストが大幅に削減され、培養肉の市場形成が促進されると期待される。

「培養肉エコシステムの現在の課題は断片化されています。最も重要な課題は培養肉製品の生産コストを下げることであると私たちは考えており、この問題に対処するためのいくつかの潜在的なソリューションを開発しました。

細胞培養食品が大量に採用されるための最も強力なツールは増殖培地のイノベーションだとみています。Biftekの増殖培地は、FBSに代わるベストな代替品の1つになるでしょう」(BiftekのCEOであるKerem Erikci氏

微生物のポストバイオティクスを活用した増殖培地開発

出典:Biftek

Biftekは、筋幹細胞を成長させるために微生物を活用した費用効果の高い増殖培地を開発している。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Biftek

 

関連記事

  1. 代替肉はなぜ必要なのか?代替肉の必要性、分類、現状をわかりやすく…
  2. 酵母から脂肪を開発するCultivated Bioscience…
  3. 菌糸体で代替ステーキ肉を開発する英Adamo Foodsが約2.…
  4. TissenBioFarmが韓国初の細胞農業支援センターで10K…
  5. 微生物発酵で赤色着色料を開発するChromologicsが約8億…
  6. 【2024年度版】精密発酵レポート販売開始のお知らせ
  7. ビーガンチーズを開発するMiyoko’s Creameryが約5…
  8. 米The Live Green Co、精密発酵によるヒト母乳脂肪…

おすすめ記事

オランダ政府が細胞農業に約82億円の出資を発表、国の成長計画として培養肉産業を支援

オランダ政府は、国家成長基金(National Growth Fund)の一環と…

独Nosh Biofoodsが赤身肉のようなマイコプロテインの開発でGinkgo Bioworksと提携

代替肉用に菌類由来の機能性成分を開発するドイツ企業Nosh Biofoods(以…

培養母乳を開発するイスラエル企業Bio Milk、2022年にサンプルを発表予定

1Lの牛乳を生産するには900Lの水が必要とされ、牛乳を生産するために地球のかな…

Alt Farmは3Dプリンターで作った植物代替和牛で2023年の上市を計画

香港科技大学からうまれたAlt Farmは3Dプリンター技術の活用を進める会社で…

ひよこ豆タンパク質粉末を開発するChickPが約9億円を調達

ひよこ豆を原料にタンパク質粉末の開発に注力するイスラエル企業ChickPが、シリ…

DouxMatokが砂糖の使用量を半分に減らしたIncredo Spreadsの販売を開始

イスラエルのスタートアップDouxMatokが開発した、少ない量でも甘さの変わら…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(07/11 15:27時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(07/12 01:27時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(07/12 05:24時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(07/11 21:30時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(07/11 13:30時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(07/12 00:37時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP