今まで様々な特徴を持つバーテンダーロボットが発売されてきたが、今回取り上げるアメリカ企業「Backbar One」はまた違った特徴をもつバーテンダーロボットだ。
エンジニアやソフトウェア開発者、デザイナーが集うBackbarチームは、カクテルを自動で作れる新しいバーテンダーロボット「Backbar One」を開発した。
既存のオペレーションに組み込めるバーテンダーロボット
Backbar Oneは、既存のPOSシステムと統合することが可能になっている。注文が入った時にバーテンダーがやるのはグラスを置くことだけだ。
グラスを適切な位置に置き、ボタンを押すだけでロボットがそのカクテルを製造する。ボタンが押されるとベルトコンベアーに置かれたグラスやシェイカーにリキュール、氷などの材料が投入され、10秒ほどで一つのドリンクが出来上がる。1時間で最大350杯のドリンクを提供することが可能だという。
Backbar Oneには保管エリアが2段階構成で設置されている。
リキュールの保管エリアは28本、750mLと1リットルのボトルを収容できる。ジュースやシロップを入れる保管エリアは12本、5リットルのボトルを収容できる。
これらを含め、合計48種類の材料を投入できるため、複雑なカクテルメニューにも対応することが可能だ。
導入した店舗では47,000ドルを節約し、売上が19,000ドル増加した
Backbar Oneを導入したBlack Diamond LoungeのオーナーであるDevlin Cleveland氏は、「バーの品質に匹敵するドリンクを正確かつ迅速に作ることができるものを探したいと思っていました。Backbarはそれ以上のことをやってくれます」と発言している。
Backbar Oneのプロダクトページでは、出されるリキュールやドリンクの量、料金やスタッフ数を入力するとひと月あたりに節約できる金額を算出できるようになっている。
Backbar Oneは5月、シードラウンドで350万ドル(約4億6000万円)を調達した。資金の調達により、労働力不足、高い在庫コスト、サービス提供のスピードに悩むレストランに新たな解決策を提供していくと思われる。
様々なバーテンダーロボットの登場
これまでにも様々な企業がカクテルやドリンクを作るロボットを開発してきた。
Bartesianというカプセル式の家庭用カクテルロボットや、AIアニメーションが音声アシスタントのバーテンダーをしながらドリンクを製造するceciliaなどがある。ceciliaは1時間で最大120杯のドリンクを提供できるという。今回紹介したBackbar Oneはその約3倍となる。
日本でも過去にドリンク製造ロボットを導入した店舗がある。
2020年1月に池袋の「ゼロ軒めロボ酒場」で、ドリンクの注文を受け製造するロボットが稼働した。人間は閉店・開店作業と食材補充のみを行った。こちらは3月までの期間限定営業であったが、日本でも様々な調理/製造ロボットが登場してきているため、さらなる省人化や効率化が進みそうだ。
参考記事
The Backbar One Is The Robot Bartender Your Parents Would Approve Of
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アイキャッチ画像の出典:Backbar One