アメリカ、ノースカロライナ州を拠点とするJellatechは、独自の細胞株の培養により、三重らせんで機能的な全長コラーゲンの生産に成功したことを発表した。
2020年に設立されたJellatechは、2年間で細胞培養によるコラーゲン生産に成功したことになる。今後はパイロットスケールへの移行を目指していく。
動物を犠牲にしない「本物のコラーゲン」で代替を目指すJellatech
現在流通しているコラーゲンの主な原料は牛、豚、家禽、海洋生物だが、牛由来のコラーゲンが38%と割合が多い。コラーゲンは、食肉処理場で発生する副産物を原料に作られており、家畜や水産資源がコラーゲンの原料供給を支えていることになる。
持続可能性とサプライチェーンの課題に対する解決策が望まれる現在、多くの企業がコラーゲンの新たな供給源を求めており、Jellatechは自社製品がその答えになると考えている。
Geltorなどが、プログラムされた微生物を「ミニ工場」と活用する精密発酵でコラーゲンを生成するのに対し、Jellatechは牛や豚の細胞を培養して増殖させ、これらの細胞にコラーゲンを生成させている。
Our CEO and Co-Founder, Stephanie, just announced the successful production of our first sample of cell-based collagen at Bühler Networking Days. #buhlernwd22 pic.twitter.com/tiLvV4GuG9
— Jellatech (@Jellatech1) June 27, 2022
この点についてJellatechは、「発酵や植物由来コラーゲンの場合、動物由来のコラーゲンと生物学的に同一ではないため、同じ機能を提供できず、用途は制限される」と細胞培養の優位性を指摘している。
Jellatech主任研究員のChristopher Gilchrist氏は「コラーゲンの形成は複雑なプロセスであり、哺乳類細胞にのみ見られる特殊な仕組みが必要になります。私たちは、これらの細胞の本来の力を利用して、持続可能でアニマルフリーな方法で、天然コラーゲンと生物学的に同等なコラーゲンを生成しています」とコメントしている。
同社が開発するのは皮膚に最も豊富にみられるⅠ型コラーゲンで、最初のサンプルを潜在クライアントに出荷しているという。
バッチ生産から連続生産を目指す
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アイキャッチ画像の出典:Jellatech